Born 1937 in Bradford, Yorkshire, UK

デイヴィッド・ホックニーは、1937年イギリス、ブラッドフォードに生まれ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート在学中から、ピーター・ブレイクらと「Young Contemporaries(若手現代芸術家展)」に参加、リチャード・ハミルトンらが牽引していた、イギリスのポップアート・シーンに加わる。
ホックニーといえばイギリスの巨匠という印象が強いが、現在ロサンゼルス在住で、しかも引っ越しを繰り返しており、さらに、頻繁に世界中を旅するという特徴がある。また、代表作として、庭のプールに上がる大きな水しぶきを描いた絵画を思い浮かべるが、彼の表現は、舞台美術や写真など多岐にわたっていて、リトグラフもそのひとつである。
本作は「ムーヴィング・フォーカス・シリーズ」と呼ばれるリトグラフの一つで、ホテルのベランダから見た眺めを元にしている。1984年彼はメキシコを旅行中に車が故障し、そのホテルに2週間ほど滞在した。そのシリーズには、複数の角度からベランダ越しに見る井戸が描かれている。実際のベランダの形はもっと四角いようだが、そこを動き回りながら描き、現実より曲がった形になったのだろう。空間を移動しながら周囲の移り過ぎて行く様子も含めて、作品にしている。ホックニーには、1983年に始めた、一つの景色を何枚も写真で撮りそれらを貼り合わせて作るフォト・コラージュ作品がある。移動する視点が表現されており、リトグラフによる本作にも、同様の着想が見て取れる。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦, Gigu)

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