現代アフリカ文庫:タグチアートコレクション 現代アフリカ文庫について

「”GLOBAL NEW ART” 世界を一望できるコレクション」を標榜するタグチアートコレクションでは、アフリカの現代アートの収集や展示にも力を入れています。そこで、タグチアートコレクションと中村融子は、2020年、現代アフリカ美術に関する展覧会カタログや書籍をコレクションするプロジェクトをはじめました。
モダン・アートの時代に一方的に「まなざされる」存在だったアフリカの美術は、近現代を通じて主体性を回復し、国際的なアートワールドに立場を確立してきました。さらに近年は、アートワールドをアフリカ大陸内に再帰的に拡大するような動きが活発になり、各国の新しい美術館や芸術祭、アートセンターによる興味深い試みが次々と生まれています。

アフリカの参加によって世界の美術の西洋中心性が揺らぎ、各国の在来の文化や歴史、市民の感性が反映されるようになってきました。このように美術の「脱植民地化」を進め、地域の要素によって世界の美術をアップデートするアフリカは、21世紀美術を考える上で欠かせない存在です。

また、美術作品を鑑賞しその背後にある独創性を感じることで、アフリカ諸国の人々を身近にそして新しい角度から感じられます。作品理解を通じて、アフリカ諸国の歴史や文化、アフリカ大陸内の多様性についても学ぶきっかけにもなります。

しかし現在の日本において、現代アフリカの美術は、作品を鑑賞する機会のみならず、アーティストや美術史について情報入手の機会も限られています。そこで、鑑賞者や愛好家の方々はもちろん、専門家として美術に関わるコレクターやキュレーター、研究者の方々にも、現代アフリカの美術について幅広く知っていただくための場を提供することを考えました。そうして生まれたのが「タグチアートコレクション 現代アフリカ文庫」(African Contemporary Art Book Collection)です。

ここでは、美術館や国際芸術祭の展示カタログ、美術史やアフリカ文化についての学術書、ギャラリーカタログやマーケットリポートを収集し、それぞれの書籍・資料ついての解説と共に公開します。現代アフリカ美術を知るためには、どんな本を読めばいいのか、これまでにどんな展示があり、どんな人物やギャラリーの発信に注目するべきか。この文献リストと解説を参考に、関心を深めて頂ければ幸いです。

※購入候補となる書籍のリストアップは、私中村が行い、田口美和さんが許諾されたものを購入します。また、世界各地のアートフェアやギャラリーを訪れた際に入手されたカタログや資料も含まれます。
※それぞれの書籍・資料は閲覧が可能です。お問い合わせはinfo@taguchiartcollection.jpまで

著者略歴

中村 融子 | Nakamura Yuko

京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻博士課程。東京大学法学部卒業。美術史・人類学の手法を用いて、主にアフリカ現代美術を研究する。美術制度史やアートエコシステムに焦点を当て、近代的美術制度の中心と辺境、陶芸史、現代陶芸もテーマとして扱う。キュレーター、講演等の活動を行っている。
著作に「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』(青幻舎)がある。
https://www.instagram.com/ottk128/

蔵書一覧

和書
<展覧会カタログ>
インサイド・ストーリー 同時代のアフリカ美術/世田谷美術館ほか、1995年
アフリカ・リミックス 多様化するアフリカの現代美術/森美術館、クンスト・パラスト美術館(デュッセルドルフ、ドイツ)ほか、2006年
彫刻家エル・アナツィのアフリカ/国立民族学博物館ほか、2008年
インカ・ショニバレCBE:Flower Power/福岡市美術館、2019年

<学術書>
アフリカの同時代美術―複数の「かたり」の共存は可能か―/川口幸也、2011年
アフリカ美術の人類学―ナイジェリアを生きるアーティストとアートのありかた/緒方しらべ、2017年
現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る/ウスビ・サコ、清水貴夫編著、2020年

洋書
<展覧会カタログ>
Magiciens de la terre / Centre Georges Pompidou et Grande Halle de la Villette, Paris, France, 1989
Africa Explores: 20th Century African Art / Center for African Art, New York, US, 1990
Documenta 11, Platform 5: Ausstellung | Exhibition: Ausstellungsorte | Exhibition Venues / Kassel, Germany, 2002
Arts of Africa: The Contemporary Collection of Jean Pigozzi / Grimaldi Forum, Monaco, 2005
Magiciens de la terre Retour sur une exposition légendaire / Centre Georges Pompidou, Paris, France, 2014
PANGAEA: New Art from Africa and Latin America / Saatchi Gallery, London, UK, 2014
PANGAEA II: New Art from Africa and Latin America / Saatchi Gallery, London, UK, 2015
Beauté Congo – 1926-2015 – Congo Kitoko / Fondation Cartier pour l’art contemporain, Paris, France, 2015
Being There: South Africa, A Contemporary Art Scene / Fondation Louis Vuitton, Paris, France, 2017
“The insiders”, a selection of works (1989-2009) from the Contemporary African Art Collection of Jean Pigozzi / Fondation Louis Vuitton, Paris, France, 2017
Congo Stars / Kunsthaus Graz, Graz, Austria etc., 2018
Ghana Freedom, Ghana Pavilion at the 58th International Art Exhibition La Biennale di Venezia / Venice, Italy, 2019
Kinshasa Chroniques / La Cité de l’architecture et du patrimoine, Paris, France, 2020-2021

<アートフェア>
1:54 Contemporary African Art Fair 2016
1:54 Contemporary African Art Fair 2017

<ギャラリー・カタログ>
While The Harvest Rots: Possessing Worlds of Kudzanai Chiurai’s Art / Goodman Gallery, 2017
La Sfinge Nera II, Dal Marocco al Madagascar / Primo Marella Galler, 2018
Africa Universe / Primo Marella Gallery, 2019
Joël Andrianomearisoa / Primo Marella Gallery, 2020

専門書・カタログ
Angaza Afrika: Afrian Art Now / Chris Spring, 2008
Contemporary African Art since 1980 / Okwui Enwezor, Chika Okeke-Agulu, 2009
Kumasi Realism, 1951-2007: An African Modernism / Atta Kwami, 2014
Africa 21e siècle: La photographie contemporaine africaine / Ekow Eshun, 2020