Marc Quinn | マーク・クイン

1964年イギリス、ロンドン生まれ
現在ロンドンを拠点に活動

マーク・クインは、1964年ロンドンに生まれ、現在も同地を拠点とし、YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ)の代表的な作家のひとりとして知られるアーティストである。彼の作品には、生命の根源をセンセーショナルに表現するものが多く、2012年ロンドン・パラリンピック開会式で発表された、生まれつき四肢の長骨のない画家アリソン・ラッパーの巨大モニュメントや、ヨガのポーズをとるイギリスのファッションモデル、ケイト・モスの黄金に輝く彫刻、あるいは、型取りした自分の頭部に自身の血液を流しこみ冷凍保存した肖像彫刻「Self」などがある。
その冷凍技術を取り入れた制作は、プラダのために2000年に制作した「ガーデン」シリーズでも引き継がれる。色とりどりの花々を凍らせて加工し、それらをひとところに並べるというものである。その方法によって、開花の季節が一切関係ないまま花々は咲き誇り、生命の輝きが永遠にフリーズすることになるが、その結果、その過剰な美の中に死の気配を感じとらせる。クインは、この「ガーデン」のプロジェクトの際に撮影された写真を使って、キャンバス上にイメージを引き伸ばしてプリントするシリーズを制作している。引き続き2001年には「DNAガーデン」を発表、75種以上の植物と2人の人間のDNAを保存する作品になっている。彼は生命の根源にさかのぼって見出される美の力を、作品から解き放って魅せている。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

Marc Quinn

The World’s Beginning

Marc Quinn | マーク・クイン