Born 1960 in Padoue, Italy
Lives and works in New York, USA

マウリツィオ・カテランは、1960年イタリアのパドヴァで、労働者階級の子として生まれ、中学生の頃から仕事に出るようになり、様々な職種を経験した後、70年代末から80年代半ばにかけ、カウンターカルチャーの定期刊行物のためにコンピューターを使った画像や漫画を制作、1988年には家具デザインに着手、独自の創作を展開するようになる。1993年ヴェネチア・ビエンナーレのアペルト部門に招待されると、《Lavorare è un brutto mestiere(働くことは悪い仕事だ)》という作品を発表し、自らの展示スペースを広告代理店に売って、作品の展示空間を異なる意味の空間に置き換えた。また、その年にニューヨークに移ったカテランの最初の個展では、ギャラリー内で本物のロバが客を出迎え、1997年のヴェネチア・ビエンナーレの際は天井の梁に無数の鳩の剥製を設置するなど、動物が展示空間を別の意味に置き換えていた。フランス、ディジョンでは、美術館の床に棺桶ぐらいの穴を掘り、さらにギャラリーの入口を棚で塞いで、職員が仕事場に行くためにその棚の扉を通り抜けていた。
そのようにカテランには特有のいたずら心があり、制度的に維持されてきた展示空間を異化する作品が多い。本作でも、展示室内で見過ごされかねない小さなエレベーターが置かれ、扉の開く「チンッ!」という音で気づくと、スケールのかわいらしさで笑いを誘い、ギャラリーには不釣り合いなオブジェによって、異なる空間へと想像をいざなう。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

WORKS IN THE COLLECTION