Born 1975 in Mie, Japan

加藤美佳は、1975年三重県に生まれ、2001年愛知県立芸術大学美術学部美術科修士課程を修了し、同年、五島記念文化賞美術新人賞を受賞、現在も、三重県を拠点に制作をする。
加藤の油彩画は、そのモデルが人形のようだが妙に生々しく、一瞥では絵か写真かがわからないほど、精緻に描かれている。高い写実性を持ちながら、その作風は、1960年代後半からアメリカで始まったフォトリアリズムとは異なる。フォトリアリズムは、写真をカンヴァスにプロジェクターで投影し、それを再現しようと、エアブラシで色調をあわせつつ制作する。そのため、写真のピントの合ってない部分をわざとぼかすことで写実を追求した。それに対して加藤は油彩で克明に描きこむ。
「生き物を描く」のではなく、「〈絵〉そのものが生きている」ように描きたい、そうした思いが彼女にとっての絵画制作の根底にある。人形という生のない物に、人は生を仮託する。人は己のデフォルメである人形に話しかけ、生活を共にすることで生を吹き込むが、加藤はそれを視覚的に手を加えることで行う。《マスカット》は、既成のソフトビニール人形をモデルに、プリントされていた瞳を描き直し、時代や文化を表象する衣服の現れない顔だけのクローズアップで描いて、生へと肉薄する。加藤は次作から人形自体も粘土で制作し、それを絵にする制作プロセスを確立するが、本作は、そうした人形による制作方法を方向付けた作品である。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

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