海外アートマーケットNews Picks!!:2021年6月後半
世界の大都市ではコロナのワクチン接種も進み、2021年夏以降は少しずつアートフェアなどが復活しそうです。これまで多くの顧客がギャラリーやオークションへ訪ねていましたが、コロナで動きにくくなった今、ギャラリーやオークション会社の方から富裕層が多く滞在しているエリアへと動き顧客とのタッチポイントを増やそうとしているのが特徴でした。ポップアップ。
■海外アートニュース
フィラデルフィアの麻薬取引のアジトに踏み込んだ当局は、マリファナと約3億円の現金を発見した。ここまではよくある話だが驚かされたのは、14点の絵画が壁に飾られ、その他33点が保管庫にあったこと。絵画はルノアール・ピカソ・ダリなど著名で高額な作品ばかり。長年美術品取引は出品者・購入者の素性は明かされる必要はなく、資金洗浄の温床となっていると法整備を検討するべきという意見が出始めている(The New York Times)
https://www.nytimes.com/2021/06/19/arts/design/money-laundering-art-market.html
2021年5月NY クリスティーズ・サザビーズ オークションレポート:2社総数525点 総額US$880,675,615 (日本円 約970億円)525点のうち不落札は74点のみ。とても好調な結果となった。(ARTBnk)
https://www.artbnk.com/blog/2021/20/may-2021-sales-report
これまで最も高額で売れたNFTアート作品14点 BeepleからMad Dog Jonesとさらに…。(artnet)
https://news.artnet.com/market/updated-most-expensive-nfts-1980942
アウトサイダーアートフェアのゲストキュレーターとして招待された村上隆がキュレーションしている“スーパーラフ“展がNY SOHOで開催(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/super-rough-murakami-1234595748/
Kenny Scharfのドキュメンタリーは80年代のNYダウンタウンの特徴を良く捉えていて見応えがある(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/artists/kenny-scharf-documentary-when-worlds-collide-review-1234596903/
Jay-Zに特注されたDerrickAdamsのNFTアート作品がサザビーズのオークションに出品される(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/derrick-adams-jay-z-nft-sothebys-1234596939/
長年消失したと思われていたレンブラント作品がイタリアで発見された。所有者の家で、壁から落ちて修復に出したところ修復家がレンブラント本人の作品ではないかと気づいた。売却する場合約85億円から約240億円の価値はあるが、所有者ファミリーは美術館など貸し出しを考えている(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/lost-rembrandt-found-italy-adoration-of-the-magi-1234597041/
なぜポンピドゥーはジャージーシティー(ニュージャージー州)に来なければならないのか? 多額の税金を注ぎ込んで運営費を賄う計画に市民からは好意的には受け入れられていない(Curbed)
https://www.curbed.com/2021/06/why-pompidou-outpost-jersey-city.html
6月24日に開催されたフィリップスNY イブニングセールでは48ロットで約130億円の売り上げと香港に引き続き活況だった。巨匠のホックニーもそうだが、オークションではJulie Curtise(1982年生)やTitus Kaphar(1976年生)の若手作家が下値の数倍で落札され最高値を更新した(artnet)
https://news.artnet.com/market/phillips-evening-sale-young-stars-1982982
クリスティーズ・サザビーズは一部超高額作品も暗号通貨での支払い可能に。これにはKieth Haringの約6億円作品も含まれる(artnet)
https://news.artnet.com/market/cryptocurrency-sothebys-christies-1982054
デザインマイアミ(フェア)は11月に上海でポップアップ展覧会を開催予定(The Art Newspaper)
https://www.theartnewspaper.com/news/design-miami-to-launch-podium-pop-up-exhibition-in-shanghai-this-november
サザビーズは、モナコに夏季限定(7月-10月)のポップアップ ギャラリースペースをオープン。Hauser & WirthはコートダジュールとLAの2箇所目のポップアップスペースを新規オープン。(artnet)
https://news.artnet.com/market/sothebys-announces-monaco-summer-pop-up-as-french-riviera-art-scene-heats-up-1983143
■海外アートオークション情報
7月2日 クリスティーズ ロンドン コンテンポラリーアート デイセール
https://www.christies.com/en/auction/post-war-and-contemporary-art-day-sale-20069-cks/
7月7日 クリスティーズ ロンドン ファーストオープン (オンライン)
https://onlineonly.christies.com/s/first-open-post-war-contemporary-art-online/lots/1697
7月13日 フィリップス ロンドン NewNow
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010321
7月21日 クリスティーズ NY ファーストオープン (オンライン)
https://www.christies.com/en/auction/first-open-post-war-contemporary-art-19886-nyr/
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立