Philip Taaffe | フィリップ・ターフ

1955年アメリカ、 ニュージャージー州エリザベス生まれ
現在アメリカ、ニューヨークとコネチカット州ウェストコーンウォールを拠点に活動

ターフは、1980年半ば、広く知られた絵画作品のイメージを積極的に自作に転用/盗用する「シュミュレーショニズム」の作家としてまず注目を集めた。エルズワース・ケリーの画面の上にデュシャンの作品《3つの停止原器》を重ねたり、バーネット・ニューマンの絵画に特徴的な、画面を分割する「ジップ」を縄やねじり柱に置き換えてみたり。この頃の作品は、美術史あるいは絵画への批評的感覚を持つと同時に手仕事の痕跡を残した作風に特徴づけられる。1980年代末以降は、アメリカのトーテムポールやイスラム文字、レリーフ文様や植物図鑑といった伝統的な文化遺産を一定のパターンに置き換えて絵画化している。ターフの画面の中ではヴィジュアルの活気と複雑な手仕事とが共存する。アクション・ペインティング的な衝動にシルクスクリーンや木版、染色といった機械的なプロセスが結びつけられているのだ。こうした手の込んだ手法によって引用された象徴的なイメージと形態は、アートや自然との相互関係のあいだで響き合う。(GLOBAL NEW ART TAGUCHI ART COLLECTION #01」2010, 美術出版社, pg 306より)

Philip Taaffe
Luhring Augustine

Orbis Renatus

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