海外アートマーケットNews Picks!!:2024年1月後半
■海外アートニュース
MOCA LA(ロサンゼルス現代美術館)が2023年に63人のアーティストによる100点の芸術作品を取得したことを発表、常設コレクションは約8,000点となった。 取得した作品はエルスワース・ケリー、ジェフ・クーンズなどの一流アーティストから、ダイアン・セヴェリンのような新進気鋭のアーティストの作品まで多岐に渡る。いくつかは数人のコレクターからの寄贈として提供されており、その中にはマーク・ブラッドフォードの絵画を寄贈したブラッド・ピットも含まれる。(ARTnews)
https://www.artnews.com/gallery/art-news/news/moca-la-2023-acquisitions-mark-bradford-brad-pitt-1234693806
Pace Gallery がガゴシアンの元取締役であるゲイリー・ウォーターストンをグローバル販売および運営担当執行副社長として雇用した。ウォーターストンはアーティストや財団の個人アドバイザーとしても活動しており、2月1日にペースに正式に加わる予定だ。 ウォーターストンは20年近くガゴシアンでの経験を持つ。最初はロンドンでディレクターとしてギャラリーの拡大を監督、2011年からはヨーロッパのマネージング・ディレクターとして働いた後2020年に退職していた。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/gary-waterston-pace-gallery-global-executive-vice-president-sales-1234694032
アムステルダムのゴッホ美術館は、昨年のポケモンとの共同展示をめぐる混乱を理由に職員4人を解雇した。解雇された従業員のうちの1人は限定版のカードが入った箱を盗んだ容疑、別の1人は来館者にいつカードを手に入れるのが最適かを伝えたとされており、これらが博物館の行動規範に違反したとされている。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/van-gogh-museum-fires-workers-pokemon-2422901
ART SG がシンガポールのマリーナベイ・サンズで開催されたが、出展者のリストが30%減り優良企業も数社欠席するなど、アジア太平洋市場の課題が浮き彫りになる結果となった。多くの来場者があったにもかかわらず、複数のギャラリーが残念な結果を報告したことは、シンガポールが香港のような7桁規模のアート市場になるにはまだ遠いことを示している。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/art-sg-sales-results-singapore-asia-art-market-1234693233
アブハジア国立絵画美術館のコレクションにある4,000点以上の絵画が火災で焼失し、1990年代にグルジアから割譲され現在はロシアの管理下にある黒海コーカサス地域の文化遺産が悲劇的に失われた。火災は1月21日に首都スフミの、美術品を保管していたアブハジア芸術家連合のアートギャラリー近くで発生。地域ニュースプラットフォームのエクホ・カフカザによると、建物は何年もの間荒廃しており「屋根もドアもなかった」という。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/fire-destroys-artworks-national-picture-gallery-of-abkhazia-1234693930
ルーアン大聖堂から盗まれたステンドグラスを隠した疑いがあるとして、パリのリュミエール・シュル・ル・パトリモワーヌ協会がメトロポリタン美術館を含む米国の美術館3施設に対して告訴状を提出した。訴状によると、1911年に一連のステンドグラス窓の目録が作成されたが、1931年には現地にないことが判明。6つの窓のうち5つはパリの美術市場でアメリカのコレクターによって購入されたと伝えられており、ペンシルベニア州のグレンケアン美術館、マサチューセッツ州のウースター美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館の施設コレクションに収蔵された。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/three-american-museums-accused-of-hiding-stolen-stain-glass-windows-from-rouen-cathedral-1234693269/
南京のデジ美術館が2024年に Beeple の作品に特化した大規模な展覧会を開催する予定だ。 デジ美術館は南京の中心部にある私立美術館。2023年のアートバーゼル香港で Beeple のデジタル アート作品 《 S.2122 》を900万ドル(約13億2,700万円)で購入し、Beeple の作品がアジアの機関のコレクションに含まれたことで国際的なメディアの注目を集めた。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/nanjings-deji-art-museum-boasts-works-by-monet-and-beeple-is-it-a-new-beacon-for-asias-art-scene-2416364
香港の美術館「M+」は、中国人の人気監督チャン・ユアンによる1993年の映画 “Beijing Bastards” のタイトルを検閲するよう命じられた。 代わりにこの映画は “A film by Zhang Yuan” というタイトルで上映され、冒頭部分は編集されて原題への言及が削除された。 香港で広く話されている広東語の「Bastards(ろくでなし)」の発音の一部は「習主席」というフレーズに非常によく似ており、ベールに包まれた言及と見なすことができることが原因と思われる。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/m-museum-censored-zhang-yuan-film-title-2421708
ペース・ギャラリーのニューヨーク旗艦ビルに「ガザを解放せよ」などのパレスチナ擁護のメッセージがスプレーで描かれたことを受け、ギャラリーは同日の営業を停止した。 NYでは他にも、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤン・ギャラリーに紛争に関する所有者の見解に抗議するポスターが何度も貼られたり、チャイナタウンの複数のギャラリーにはイスラエルによるガザ空爆に対処するようディーラーに呼びかけるメッセージが貼られたこともあった。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/pace-closes-new-york-gallery-palestine-messages-michal-rovner-1234694427
■海外アートフェア情報
FRIEZE LA 2月29日(招待者のみ)3月1日 - 3日(一般公開)
https://www.frieze.com/fairs/frieze-los-angeles/visitor-information
■海外展覧会情報
下記は去年のロサンゼルスのギャラリーや美術館の展覧会です。(参考までに)
内容は変わりますが今年も同じ規模で様々な展覧会が企画されてます。
【ギャラリー編】
https://mercury-hallway-970.notion.site/Gallery-exhibitions-2023-2-ee84eee34b25458aa000ca66b38565fb
【美術館編】
https://mercury-hallway-970.notion.site/2023-2-04f59d4b67ae4891adccc943af680e4
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立