Marina Rheingantz | マリナ・ラインガンツ
1983年ブラジル、アララカラ生まれ
現在ブラジル、サンパウロを拠点に活動
ラインガンツはブラジルの若手作家で自身の体験や記憶、写真をもとに、幾何学的に縮小させた風景画を描いています。落ち着いた静かな色合いのなかにある豊富な色彩と質感が作用し、独特の世界を創ります。(nca | nichido contemporary art, Tokyo)
マリナ・レインガンツは、1983年にブラジルのアララクアラで生まれ、現在、サンパウロを拠点として活動している。2007年にFAAP(ブラジル高等教育機関)からヴィジュアルアートの学位を受ける。彼女はサンパウロの若い8人の画家たちによるグループ「2000e8」を結成する。以後、自身での個展開催やグループ展への参加だけでなく、その画家グループでの活動・展示も精力的におこなう。
彼女は絵画の制作に写真を用いているが、その世代によくある、色調や写真のアングルをキャンバスに転写するやり方を用いず、そこで撮影された風景から、幾何学的な還元をすることで空間構成をおこなう。道や樹木や屋根のようなものとしてそれぞれ認識させるいくつかの対象が、間隔を空けてキャンバスの上に散らばっている。画面にある肌理の質感は、抑制された色調の中で相互作用をもたらしており、記憶の中にある断片的なイメージと呼応して、そこから想像される何処でもない場所を私たちに想起させてくれる。彼女は、一方で、周囲と異なる色による着色や、その明るい色調のための小さな筆遣いをキャンバス上に点在させる。他方で、対照的な色で水平に筆を運んで塗られた縁、さらには大胆な塗り残しや単調な色面によって、色同士の相互関係に特別な注意を向けさせる。そうすることでキャンバスは、茫漠とした平面になると同時に、遥か奥行きを持った空間にもなる。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)
Fortes D'Aloia & Gabriel
nca | nichido contemporary art