海外アートマーケットNews Picks!!:2024年9月前半
ソウルではHoam美術館でニコラス パーティー展を見てきました。 少し遠かったですが行く価値はありました。 私はみなさんに多くの美術館を訪ねることをお勧めしてます。作家への理解も深まります。
https://mercury-hallway-970.notion.site/10506217146980e6a3d4c9824f65960d
■海外アートニュース
マーケット
急激な変化の真っ只中にあるアート市場の状況とは。過去2年間ギャラリーは軒並み苦戦しており、多くのコレクターが価格が高騰しすぎていると述べている。直近のアート・バーゼルは当初の報道よりも期待外れで、ニューヨークでは過去12カ月間にミッチェル・イネスやナッシュなどの一流ギャラリーを含む12以上のギャラリーが閉店し、大手ギャラリーは人員削減を開始している。オークション売上も減少しており、2024年上半期は50億5000万ドル(約7,103億7,000万円)で、前年同期比で約30%減少した。過去10年間でこれより悪い結果はパンデミック初期の2020年上半期だけだった。(artnet)
https://news.artnet.com/market/art-market-reset-riding-the-waves-of-change-2533656
Artnet Price Databaseによると、今年1月1日から6月30日までのオークションでの販売は総額50億ドル強(約7,029億4,000万円)で、2023年の同時期と比べて29.5%減少している。販売ロット数も4.8%減少し、1ロットあたりの平均価格は27,301ドル(約384万円)に下落、10年ぶりの低水準となった。この下落の理由の1つは高額作品が売りに出されていないことだ。今年これまでに5000万ドル(約70億3,000万円)以上で落札された作品はなく、4000万ドル(約56億2,000万円)以上で落札された作品は3点のみだ。(artnet)
https://news.artnet.com/market/data-dive-fine-art-sales-down-2532712
美術館
シカゴ美術館(AIC)は、アーロン・I・フライシュマンとリン・ローヒードから7500万ドル(約105億5,000万円)の寄付を受けたと発表した。これは同美術館の145年の歴史の中で最大の命名寄付であり、資金は美術館のコレクションへのアクセスを拡大し、訪問者の体験を向上させる建物計画の実現に使用される。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/art-institute-of-chicago-receives-75-million-gift-aaron-i-fleischman-lin-lougheed-1234717196
ボストン美術館は、1970年代に違法に発掘された古代の墓から略奪された可能性が高いと研究者が発表したネックレスをトルコに返還した。このネックレスは2,700年前の金とカーネリアンで作られており、1982年にロンドンのディーラーがつなぎ合わせて美術館に個人的に売却したもの。購入後40年以上にわたりボストン美術館で展示されていた。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/mfa-boston-returns-necklace-flagged-by-scholars-to-turkey-1234716752
オークション
ロンドンで開催されるフリーズ・ウィークのオークションで、クリスティーズがジェフ・クーンズの主要彫刻作品「バルーン・モンキー(ブルー)」を推定840万ドル~1300万ドル(約11億8,000万~約18億3,000万円)で出品する予定だ。フィナンシャル・タイムズ紙によるとこの作品の出品者はダミアン・ハーストだという。クリスティーズは顧客守秘義務を理由にハーストが出品者かどうかの確認を控えている。(artnet)
https://news.artnet.com/market/damien-hirst-is-selling-a-8-4-million-jeff-koons-at-christies-during-frieze-london-2535737
フィナンシャル・タイムズが、サザビーズは財務状況が急激に悪化し、2024年上半期にコア収益が88%減少、オークション売上高が25%減少したと報告した。先月サザビーズは、2019年に非公開化したオークションハウスの政府系ファンドが10億ドル(約1,406億9,000万円)の追加資本を提供すると発表。この現金注入はオークションハウスの負債管理を支援するためのものだったようだ。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/sothebys-earnings-drop-first-half-2024-report-1234716568
サザビーズがこの秋、エイブラムス コレクションをオークションにかける。美術と絵本の出版業界で大きな功績を持つエイブラムス・ファミリーのコレクションは、主に1930年代から1980年代以降にかけて収集されたもので、イサム・ノグチからボブ・トンプソン、マリソルからジョルジュ・マチューまで各年代に代表される作品を包括的に見ることができ、実験的な作品や流派を組み合わせている。作品の多くはアーティストから直接入手された後、初めてオークションに登場するものだ(ArtDaily)
https://artdaily.cc/news/173629/Sotheby-s-to-offer-Abrams-Collection--including-works-by-Noguchi-and-Marisol
コレクター
香港の大手不動産開発業者の御曹司でメガコレクターのエイドリアン・チェンが執行副会長兼CEOを務めるニューワールド・デベロップメント(NWD)が、チムサチョイのハノイロードにあるK11アートモールをめぐり、CRロングデーションから約12億ドル(約1,688億2,000万円)の売却オファーを受けたと地元メディアが報じている。CRロングデーションは中国国有複合企業、華潤集団の子会社である。NWDは親会社が26億ドル(約3,657億8,500万円)の損失を被るとの報道が流れたばかりだった。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/adrian-cheng-k11-art-mall-2530036
都市
数年前、韓国はアート界の新たなメッカとして歓迎されソウルはその中心地となっていたが、現在のアートマーケットの内情は?世界経済が停滞しすべての指標がアートマーケットの調整を示している今、アジアの熱狂も以前に比べて下がっていると言える。そんな中フィナンシャル・タイムズは、フリーズソウルが今年のフェアと同時期に開催される光州と釜山の2つの主要なビエンナーレ、および韓国の文化体育観光部(MCST)、ソウル市庁、韓国財団と連携し、持続性と長期的存続を確保することにより「フリーズソウルが復活」との記事を掲載した。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/frieze-seoul-art-market-preview-1234716669
■アートフェアスケジュール
フリーズ ロンドン 10月9日(招待者のみ)10日ー13日(一般公開)
https://www.frieze.com/fairs/frieze-london-frieze-masters/visitor-information
パリ バーゼル 10月16日&17日(招待者のみ)18日ー20日(一般公開)
https://www.artbasel.com/paris/visitor-information
■オークションスケジュール
香港 サザビーズ イブニングセール 9月25日
香港 クリスティーズ イブニングセール 9月26日
サザビーズ デイセール
香港 クリスティーズ デイセール 9月27日
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立