開催レポ 【タグコレ企画】 現代アートとのおしゃべりツアー @ 東京オペラシティアートギャラリー「今津景 タナ・アイル」(3/8)
3月8日、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「今津景 タナ・アイル」展にて、「食」を新たな切り口とした「現代アートとのおしゃべりツアー」第2弾を開催しました。
この展覧会は、近年国内外で注目を集める現代アーティスト、今津景さんの初の大規模個展です。今津さんは2017年からインドネシアを拠点に制作されています。
おしゃべりツアーでは、展覧会の最も大きな展示エリアである、インドネシアの神話ハイヌウェレをモチーフとした作品群を皆さんと一緒に鑑賞しました。


まず、展覧会場で配布されているリーフレットに掲載された今津さんの言葉を皆で輪読し、それを手がかりに作品を観察しました。

その後、小グループに分かれて発見したことを共有。


最後に、全員でおしゃべりをしながら「Hainuwele」(2023)を鑑賞しました。
「黒い線で描かれた親子のような二つの顔と、全体を包み込むような大きな手から、母性を感じる」「左右二つの手は切断されているにもかかわらず、何かを慈しむような手の形に見える」「横に滑らせるように描かれた筆跡から、時間の流れを感じる」など、観察と対話を通して、今津さんの作品が持つ多層的なイメージを共に味わうことができました。

タグチアートコレクションの所蔵作品「Memories of the Land / Body」(2020)の解説も行いました。


鑑賞後、「Lost Fish」(2021)の作品解説に出てくる「レレ(ナマズ)」にちなみ、インドネシア料理店でレレの姿揚げを食べに行きました。
(*「Lost Fish」は、世界で最も汚染されていると言われるインドネシアのチタルム川を主題にした作品です。)
「ナマズはレレと呼ばれていて、素揚げにされて屋台などでよく食べられている。レレを食べると、驚くほど泥の味がする。それはナマズだからまぁそうだろうと思う。私は本当に魚好きで、日本では刺身も醤油をつけないでも食べるほどだけど、インドネシアでよく食べられているレレやグラメはなかなか慣れない。」 (展覧会リーフレット 今津さんの言葉より)
「泥の味がする」という言葉から、一体どんな味なのだろうと、食べる前はドキドキしていましたが、その日いただいたレレは意外にも食べやすく、美味しいものでした。
とても賑やかで楽しいひとときとなったランチタイム。「食」を入り口として、現代アートを少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。
教育普及研究員 田辺 梨絵
協力:東京オペラシティ アートギャラリー、ANOMALY
対象展覧会:「今津景 タナ・アイル 」
2025年1月11日(土) ~ 2025年3月23日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
チケット:一般 1400円、大学生・高校生 800円、中学生以下 無料
https://www.operacity.jp/ag/exh282/
現代アートとのおしゃべりツアー 東京オペラシティ「今津景 タナ・アイル 」+ インドネシア料理「レレ」
日時:2025年3月8日(土)10:30 ~ 13:30
会場:東京オペラシティ アートギャラリー / CINTA JAWA CAFE
対象:小学生以上
参加費:無料
参加人数:15名
担当:小田川 悠、田辺 梨絵
(タグチアートコレクション教育普及研究)