開催レポ【ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション展 】青山悟ワークショップ「遠い誰かへ贈るブローチ作り」(8/11)

「ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション」展、夏休みアートワークショップの第三弾!として、8月11日に青山悟さんによるブローチ作りワークショプを秋田市立千秋美術館で開催いたしました。

まず青山さんの自己紹介として「僕はこんな作品を作ってます」と、刺繍でお札を作った作品を特別に触らせてもらう子供達。自分が知っているお札とも刺繍とも違って、なんだか緊張しながら不思議そうに見ていました。

「遠い誰かに贈るブローチ作り」を始める前に「シンパシー(共感)」と「エンパシー(感情移入)」の違いについて話してくださった青山さん。今回は「エンパシー(感情移入)」の方を考えて作ってみようとのこと。

早速テーブルの模造紙に、誰に贈るかマインドマップで書き出す子供達。

友達→友達の友達→友達の犬…
友達→ワークショップで出会った子→青山悟→美術館で働く人たち…

それぞれが連想した遠い誰かに、みんな興味津々です。

連想ししていけたら、その人にどんなことを伝えたいかな?と考えながらブローチのスケッチからはじめていきます。

作りたいブローチのイメージができたら、いよいよフェルトを使っての製作に取りかかります!
どんな色の組み合わせにしようか、大きさはどうしよう、と真剣にブローチと向き合う子供達。親御さんもドキドキしながら見守っていました。

どんなものが出来上がるのか…青山さんも子供たちと一緒に作り始めます。

切ったり貼ったり、重ねたり、試行錯誤しながらだんだんと完成に近づいてきました。

完成したところでみんなの作品を青山さんと一緒に見ていきます。

ある女の子は、学校の水槽で飼っている亀に贈る、「長生きしてね」というブローチを製作。
「KAME 長生きしてね」の文字はなんと刺繍!とっても上手な仕上がりに青山さんもびっくりしていました。

この子の作品を見ると、野球とお金…?そして大きなバツが…
詳しく聞いてみると、水○さんに贈る「人のお金は使っちゃダメだよ」ということを伝えたいとブローチを製作。
ユニークでストレートな作品で、時事ネタを作品に落とし込むなんて、と驚きつつ感心してしまいました。

他にもたくさん素敵なブローチが完成し、「やばいぞ、僕より全然上手だ!」と興奮気味でとっても楽しそうに子供たちと作品を共有する青山さん。

遠い誰かのことを想像することで、「相手の“内側”を感じようとすること(何を考えているのか、どんな価値観を持っているのか)」「自分とは違う視点になってみること」「相手を理解しようとする気持ち・行動」が自然と頭の中で同時に生まれ動いている。

こういった気づきや経験が自分自信を形成する一部となっていくのだと改めて思得た時間でした。

青山さんご自身がワークショップで作成した「現代もよろしく」と書かれたブローチは、展示期間中、千秋美術館展示室に飾られていました。
(青山悟《現代もよろしく》, 2025 ©︎Satoru Aoyama, photo by Yoma Funabashi)

当日の様子は、こちらの動画でもご覧いただけます。
夏休みアートワークショップ | 「ミネバネ!」展(秋田県立美術館/秋田市立千秋美術館)関連イベント

ディレクター 千田 マミ

展覧会「ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション
夏休みアートワークショップ 青山悟「遠い誰かへ贈るブローチ作り」
日時:2025年8月11日(月)10:15〜12:15
会場:秋田市立千秋美術館/講堂
対象:小学生〜高校生
参加費:500円(材料費)
参加人数:17名

担当:千田 マミ(タグチアートコレクション ディレクター)