海外アートマーケットNews Picks!!:2023年1月前半

■海外アートニュース

ウクライナでバンクシーの壁画が盗まれた。その壁画はガスマスクを被って消化器を運ぶ女性が描かれた絵画である。ウクライナは窃盗の首謀者に最長12年の懲役刑の可能性があると発表。クレバ外相は「未来の勝利のシンボルとして作品を保存するためにあらゆる手だてを尽くす。」と声明文を発表した。(CNN)
https://edition.cnn.com/style/article/banksy-ukraine-mural-theft-suspect-prison/index.html

ニューヨーク近代美術館(MoMA)は、ニューヨーク大学のマネージングディレクターであるルー・フェルナンデスを新しい CIO(最高情報責任者)として引き抜いた。2022年半ばまで MoMA の投資チーフを務めていたトニー・ワイの後任として、MoMA 理事会とともに、同美術館の基金、年金、退職金制度 $1.48Billion (約1,900億円)を管理・運営することになる。(Institutional Investor)
https://www.institutionalinvestor.com/article/b1h938leorlssg/MoMA-Poaches-NYU-Managing-Director-for-CIO-Post

モンドリアンからロスコまで、キューレーターによって逆さまに展示されてしまった5つの絵画。絵画を展示すとき、必ずしも一度でうまくいくとは限らない。経験豊富なキュレーターでさえもそ間違える、上下逆さまになった世界の軽い事例をいくつかご紹介。モンドリアンは75年もの間、逆さまに展示されていた(The Art Newspaper)
https://www.theartnewspaper.com/2023/01/03/a-topsy-turvy-world-five-artworks-that-have-been-hung-upside-down-by-curators

より大きく、より良く、より多く:2022年に開館・拡大された世界の美術館10選。シドニー、アントワープ、香港など広範囲に及ぶ美術館が、2022年に開館または大幅に拡大された(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/new-museums-2022-2236980

パリのロダン美術館が、スペインのサンタ・クルス・デ・テネリフェに本部を開設するという議論を呼んでいたプロジェクトを断念。カナリア諸島の文化、芸術、学術分野の専門家から批判を受け、1600万ユーロ(約22億円)の公的資金で行われていたこのプロジェクトを正式に放棄することを発表。(Tenerife Weekly)
https://tenerifeweekly.com/2023/01/03/the-rodin-museum-in-paris-resigns-from-its-headquarters-in-santa-cruz-de-tenerife/

2023年に大ブレイクする可能性のあるアーティスト13人。ナオミ・ベックウィズ、マリリン・ミンターらアート界の精通者らの意見。2022年がアナ・ウェイヤントやクリスティーナ・クォールズといった新星の年だったとしたら、新年は誰が注目されるのだろうか。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/break-out-artists-2023-2230279

2023年アメリカの美術館で必見の展覧会12選。LACMAの「コンピュータ・アートの夜明け」からMoMAの「ジョージア・オキーフの黙示録」まで、2023年のアメリカで最も楽しみな展覧会を紹介。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/12-must-see-u-s-art-museum-shows-in-2023-2236392

草間彌生のインフレータブルからフェルメールの最大級の作品まで、今年ヨーロッパを旅する価値のある美術展17選。今年上半期に開催される展覧会の中から、artnet ヨーロッパチームが厳選した注目の企画をご紹介。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/17-shows-to-see-in-europe-in-2023-from-a-survey-of-yayoi-kusamas-inflatables-to-the-largest-showcase-of-vermeers-work-yet-2224845

2023年世界で最も注目される展覧会8選。アレキサンダー・マックイーンの天才的な才能を再認識する展示から、ルーヴルの愛を描く展示まで、新しい年は新しいミュージアムショーが始まります。欧米以外で必見の展示会を一挙にご紹介。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/8-essential-shows-to-see-around-the-world-in-2023-from-a-south-korean-survey-of-the-belle-epoque-to-the-many-muses-of-alexander-mcqueen-2225118

ルイ・ヴィトンは木曜日、草間彌生氏との2度目のコラボレーションを、ニューヨークのホイットニー美術館の向かいにあるポップアップストアで発表。2度目となる今回のコラボレーションでは、マークジェイコブスがリードした初回のコラボに見られるような「アートと時代性」への配慮は減少し、ビジネスとしてパジャマからバッグまで400点以上のコラボアイテムが展開されている(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/louis-vuitton-x-kusama-collection-review-1234652754

米国では、元旦はパブリックドメインデーでもあり、95年前に制作された芸術作品の知的財産権・著作権が消滅し、許可、ライセンス、利用料金なしで再利用できるようになる。 マグリットの殺人ミステリーからエドワード・ホッパーのオートマットまで、この度パブリックドメインとなった1927年制作の素晴らしい作品の数々をご紹介(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/public-domain-day-2023-copyright-2238867

ART SG での販売報告は少ないが、アジア太平洋市場に期待するディーラーは多い。ARTnews が、世界で最も新しいフェアであるシンガポールの ART SG に先立ち、数名のアートディーラーに、参加する(またはしない)理由、アジア太平洋市場に対する考え、そしてこのフェアをアジアの他のフェアと比べてどう思うのかについて話を聞いた。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/dealers-singapore-fair-artsg-1234653130

数度の延期を経て、世界最新のアートフェアである ART SG の第1回がついに開催された。シンガポールの象徴であるマリーナベイ・サンズの展示ホールで、2フロアにわたって開催されたこのフェアは、水曜日に VIP 向けに開幕。中国からの渡航制限が緩和されたこともあり、160を超えるブースに多くの来場者が訪れ、熱気に包まれた。(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/market/art-sg-2023-best-booths-1234653400/anila-quayyum-agha-at-sundaram-tagore

韓国の文化体育観光部は、同国トップの近代美術館である国立近現代美術館(MMCA)が昨年、疑わしい会計処理を行ったと発表。同庁が昨年10月から12月にかけて実施した内部監査で発覚した。 MMCA のユン・ボムモ館長は2日の記者会見で、美術品の取得や収入支出に関する報告書の内容について言及。昨年の購入作品のうち9%に当たる280品目は規定の外部精通者の評価をしておらず、購入提案書全数の35%に当たる115品は規定の外部査定をして価格の客観性を確認するプロセスを通さずに購入されていた。同氏は、16件の違法性を指摘した報告書の内容を「美術館の改善」に生かすと述べた。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/korean-ministry-audit-finds-national-museum-mishandled-funds-1234653152

■海外アートフェア情報

2月16日(招待者のみ)・17−19日(一般公開) FRIEZE LA
https://www.frieze.com/fairs/frieze-los-angeles/visitor-information



著者

大胡 玄 (おおご げん)

大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立