Gardar Eide Einarsson | ガーダー・アイダ・アイナーソン

1976年ノルウェー、オスロ生まれ
現在アメリカ、ニューヨークと東京を拠点に活動

ガーダー・アイダ・アイナーソンは、ノルウェー国立美術アカデミー在籍中に、フランクフルトやニューヨークに留学するといった国際的な活動の経験を積み、現在ではニューヨークと東京を拠点に制作をしている。学生時代には、60-70年代アメリカのコンセプチュアルアートに影響を受けている。2001年9月10日、つまり9/11の事件が起こる前日にニューヨークに引っ越すという経験をもち、社会の否応ない変化と社会問題自体とを体験する。
彼の作品には、パンクロック、犯罪者やアウトローといった要素が多く、統制下の社会や社会問題、あるいは独裁政治などがしばしばモチーフとなる。吹き出しの形をした本作は、70年代から連載されているイギリスのコミック『ジャッジ・ドレッド』から取られたもの。本作で書かれている「Helter Skelter」とは1968年に発表されたアルバム『ザ・ビートルズ』に収録された曲のタイトルで、原義は遊具の螺旋状すべり台のことだが、「狼狽(する)」、「混乱(した)」といった意味もある。『ジャッジ・ドレッド』の話の中で、カルト指導者チャールズ・マンソンの言葉を参照した箇所があり、作曲もしていたマンソンが、ビートルズの「ヘルター・スケルター」を、黙示録的な戦争や殺人を誘発する曲と解釈していたことに由来する。そのように本作は、アイナーソンのサブカルチャーへの関心を表すと同時に、パンクカルチャーの持つ社会的メッセージの表現にもなっている。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

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