Sam Taylor-Johnson | サム・テイラー=ジョンソン

1967年イギリス、ロンドン生まれ
現在ロンドンを拠点に活動

サム・テイラー=ジョンソン(サマンサ・テイラー=ジョンソン)は、1967年ロンドン生まれ。最近では、「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」で若きジョン・レノンを描き、映画監督として有名になる。美術家としてのキャリアは、1990年ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジを卒業後、写真の展覧会を行う頃から始まり、当時、アンガス・フェアハーストやダミアン・ハーストらYBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ)のメンバーが注目され始めた頃である。着々とキャリアを重ねていきながら、1997年にはヴェネチア・ビエンナーレでアイリー・カフェ・プライズ・フォ・モスト・プロマイジング・ヤング・アーティストを受賞、1998年にはターナー賞にノミネートされた。
木漏れ日に包まれた若者は、恐らくトランポリンを使用したのであろう、中空に浮き、精神的な超越の肉体的な表現となっている。テイラー=ウッドのいくつかの写真には、ルネサンスやバロック期の宗教画に見られる象徴的なポーズを想起させる人物が登場し、物語を語り出しそうな雰囲気がある。本作は2001年ホワイトキューブギャラリーの個展「ミュート」に出品されたもので、その中には、「ピエタ」(聖母マリアがはりつけから降ろされたキリストを悲しみの中抱く図像)を思わせる作品も並んだ。本作も、現代的な服装をしているが、その仕草は、右手を軽く挙げて祝福を与えていようにも見えてくる。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

Sam Taylor-Johnson
White Cube