Sebastian Diaz Morales | セバスチャン・ディアズ・モラレス

1975年アルゼンチン、コモドーロ・リバダビア生まれ
現在オランダ、アムステルダムを拠点に活動

セバスチャン・ディアズ・モラレスは1975年アルゼンチンのコモドーロ・リヴァダヴィアに生まれ、現在では、その地とオランダ、アムステルダムとを行き来しながら制作をしている。彼は、ラテンアメリカで最も若い世代のアーティストに属し、彼の映像作品は、リアリティとその再解釈の間で成立しており、その再解釈には、遊戯的であり、懐疑的でもある眼差しが注がれている。ディアズ・モラレスは、文化的にもテクノロジーにおいても同世代のアーティストと共通して、映像言語の使い方を熟知していて、それを、自分の国と身近な環境からの社会的経験とに向けて映像技法を使うことで、偏狭な読解を逃れる作品を生み出している。
本作における映像技法はモンタージュという映像の歴史が始まってほどなく用いられてきた技法であり、一定の速度で同じ方向に動くショット同士をつなぐことで、運動が持続しているかのように見せる。そのため、それぞれ全く異なる階段を昇っているはずが、同じ建物にある一続きの階段を昇っているように見せてしまう。作品のタイトルになっている「pasaje」は、英語で「passage」、「通過、通路」を意味する。通過とはある場所を過ぎ去ることであり、通路とは始まりと終わりをつなぐ通り道のことだが、延々と続く場所を終わることなく歩いていくことで、その建物は、入り組みながらもひたすら上へと伸びていく。まるで成長し続ける生き物のはらわたのように。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

Sebastian Diaz Morales
carlier | gebauer

Pasajes

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Pasajes II

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