海外アートマーケットNews Picks!!:2021年3月後半

美術館の記事が減りブロックチェーンやNFTに関する記事が増加しています。新たな価値へ世界のメディアも興味津々のようです。

海外アートニュース

約35億円のモネがクリスティーズ NY 5月オークションの新たなスタラクチャーでのハイライトの一つ(artnet)
https://news.artnet.com/market/christies-major-claude-monet-for-may-adjustment-to-sale-categories-1952766

ペースギャラリーは、ハラスメントなどで訴えられている2人のエグゼクティブを要職から解雇し、新たな再編を構築している(artnews)
https://news.artnet.com/market/pace-gallery-executives-accused-of-abuse-depart-company-amid-broader-restructuring-1952731

1960年から草間彌生がお世話になった主治医へ御礼として渡した作品コレクションが5月NYボナムス 出品される。オークションは5月12日NY。 下見会は、4月7日ー22日香港・4月30日ー5月12日NY(artnet)
https://news.artnet.com/market/kusama-doctor-art-auction-1952358

ロンドン ギャラリー ウィークエンドが開催予定。パンデミック後、様々なアートイベントがクローズしたが、再開の動きの一つ。6月4日ー6日の3日間。スモールギャラリーからガゴシアンまで約80ギャラリーが参加予定。(artnet)
https://news.artnet.com/market/deubt-london-gallery-weekend-1952681

美術館はこれまで貸出作品の輸送に随行するクーリエに多額のコストを負担してきたが、新技術の進化によりバーチャルクーリエを可能にすればこのコストを抑えられる。(artnet)
https://news.artnet.com/exhibitions/virtual-couriers-rembrandt-1952668

サザビーズNY 4月にデジタルアーティストPAKの作品をオークションで扱うと発表。作品は1点のユニーク作品とオープンエディションでトークンを買う形式を用意。(CNBC)
https://www.cnbc.com/video/2021/03/16/sothebys-ceo-on-collaborating-with-digital-artist-pak-to-sell-nfts.html

この30年間Annabelle Selldorfは様々なアートコレクションを展示する美術館や個人宅の建築を手がけてきた。コレクターハウスの紹介。(Galerie)
https://www.galeriemagazine.com/annabelle-selldorf-westchester-new-york/

アートバーゼルのオンライン・ビューイング・ルーム(OVR)でPioneersのセクション(20世紀のアートと2020年に製作されたアートの構成)では堅調な売り上げが見られた(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/art-basel-pioneers-2021-sales-report-1234587972/

ギャラリーのAlmine Rechはスイス・アスペンにポップアップギャラリーを開設。パリ・ロンドン・NY・上海に続いての支店。”我々はコレクターがいるところに行く”。 昨年はコロナ禍で、メガギャラリーはNY州ハンプトンにポップアップを開設するギャラリーが多かった。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/almine-rech-aspen-pop-up-1234587608/

ビリオネアのマーク キューバンはNFTの為のデジタルアートギャラリーを構築している(The Block)
https://www.theblockcrypto.com/post/98974/mark-cuban-digital-art-gallery-nft

ルーブル アブダビはパンデミックで経済が停滞する中でも27点の新規収蔵をした。ハイライトはジョルジュ・ド・ラ・トゥールを約5億円で。北斎の神奈川沖浪裏も含まれている(artnet)
https://news.artnet.com/market/louvre-abu-dhabi-1953947

デジタルアート市場が加熱する中、ベルリンのKönigギャラリーはバーチャルブロックチェーンギャラリーショーを開催(artnet)
https://news.artnet.com/exhibitions/konig-gallery-decentraland-show-1953730

2018年クリスティーズが開催したART&TECHサミットで、無料でNFT(トークン)を配ろうとしたが、参加者300人中手を挙げたのは12のみだった。現在、受け取った1人はNFTを100万円以上で売却している(artnet)
https://news.artnet.com/opinion/christies-nft-giveaway-1952860

アーティスト加藤泉はペロタンNYの空間を彼の絵画・立体作品・インスタレーションの全種類を展示していかに変えたか(展示は4月17日まで)(Galerie)
https://www.galeriemagazine.com/izumi-kato-perrotin/

桶田ご夫妻のコレクション形成のいきさつや今後の展望などのインタビュー(Larry’s List)
https://www.larryslist.com/artmarket/the-talks/the-oketas-love-at-first-sight/

予測不可能な将来の中、16グローバルデザインコンセプト(The New York Times)
https://www.nytimes.com/2021/03/28/arts/design/designers-global-challenges.html

海外コンテンポラリーアート オークション情報

4月7日〜 サザビーズ ロンドン Curated(オンラインセール)
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/contemporary-curated-3

4月15日 フィリップス ロンドン コンテンポラリーアート イブニングセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010121

4月16日 フィリップス ロンドン コンテンポラリーアート デイセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010221

4月16日 フィリップス ロンドン コレクションセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010621

4月19日 サザビーズ 香港 コンテンポラリーアート イブニングセール
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/contemporary-art-evening-sale

4月20日 サザビーズ 香港 コンテンポラリーアート デイセール
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/contemporary-art-day-sale

元クリスティーズ大胡さんがピックアップした海外アートマーケットニュースのページです。コレクターにとって役立つ情報を厳選して月1~2回お届けします。海外アートフェアやオークション情報なども。

著者略歴

大胡 玄(おおご げん)

1975年生まれ・鎌倉市出身
1998年玉川大学経営工学科卒業
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド 入社
2004年 クリスティーズ(NY) 入社  日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト

海外アートマーケットNews Picks!!:2021年3月前半

引き続き財政難な美術館と活況なアートマーケットが浮き彫りな状況ですね。Beepleの落札以降、ブロックチェーンや代替え不可能トークンの記事がとても多くなった2週間でした。

海外アートニュース

KAWSの高額オークション落札 トップ10(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/kaws-most-expensive-artworks-1234584753/kaws-the-walk-home-2012/

ブロックチェーンの会社が、バンクシー作品を購入し焼却。その後作品は代替え不可能なトークン又はNFTに登録され”デジタル作品”となった(CBS News)
https://www.cbsnews.com/news/banksy-nft-injective-destroy-art-digital-token/

日本の伝統的な書を抽象表現へと転換させた篠田桃紅が107歳で亡くなった。(CNN)
https://edition.cnn.com/style/article/toko-shinoda-artist-death/index.html

フィリップスのコンテンポラリーアートオークション ”New Now”は落札総額$9,500,000(約10億円)となり、この価格帯のオークションとしては歴史的高額結果であり、前年比20%アップ(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2021/03/04/phillipss-new-now-brings-9-5-m-historic-high-in-new-york-20-percent-over-last-year/

1950年代伝説的な抽象表現主義のコレクター:Ben Hellerについての長文記事。当時NY近代美術館はこの新たなムーブメント(抽象表現主義)を完全に気にかけていなかった。そんな中Hellerは、各作家の一番良い作品だけを蒐集するという信念の元、コレクション形成をしていった・・・(ARTnews)
https://www.artnews.com/feature/who-is-ben-heller-collector-1234584691/

米国の美術館では、パンデミックの渦中に何のファクターが運営を継続させ、どのような状況変化をもたらしたか(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/united-states-art-museum-financing-1234584930/

ソマリアとパリで育ったMarian Ibrahimは、シカゴでのギャラリーを成功させ次は、パリに支店を出すことになった。アフリカ系アートを中心に作品に急成長しているこのギャラリーは、ヨーロッパとアフリカの掛橋になればという想いで(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/mariane-ibrahim-gallery-opens-paris-location-1234585845/

バスキアの高額落札作品 トップ10(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/jean-michel-basquiat-most-expensive-works-1234585981/jean-michel-basquiat-untitled-diptych-1982/

NYのメトロピクチャーズが40年の幕を閉じた。シンディー シャーマンなど有名作家が所属。シンディーシャーマンはHauser&Wirthへ(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/metro-pictures-closing-new-york-gallery-1234585909/

クリスティーズでBeeple作品を約72億円で落札した落札者へのインタビュー記事。なぜこれほど高額な金額で落札したのか。落札者は”いつかこの作品は1000億円の作品になる”とコメント(artnet)
https://news.artnet.com/market/the-buyer-of-the-69-million-beeple-nft-metapurse-1951561

伝統的な古い美術館はどのような将来像を目論んでいるのか。自転車用通路からTikTokまで。イタリア・ウフィツィ美術館の試み(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/eike-schmidt-interview-1950305

コレクターが知っておくべきNFTについて(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-collectors-nfts

ランバンファミリーが蒐集したEdgar Degasのパステルなど5点がサザビーズ ロンドン 印象派オークションへ出品される(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2021/03/04/french-impressionist-art-from-lanvin-family-holdings-to-sell-at-sothebys-auction/

クリスティーズ ロンドン 印象派オークションにはピカソの2人のMuseであったマリエテレーズとジャクリーンの2点が出品される(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2021/03/05/two-picasso-muses-estimated-at-20-m-to-lead-christies-london-auction/

約60年間も個人所有されていた草間彌生のコレクションが5月NY ボナムスのオークションへ出品される
https://www.artmarketmonitor.com/2021/03/12/unseen-for-decades-early-kusamas-from-surgeons-collection-head-to-auction/

超高額作品のコレクションをいかに邸宅に飾るか。建築事務所StoneFoxが手がけた米国・パームビーチの実例を元に紹介。(動画)(Galerie)
https://www.galeriemagazine.com/stonefox-webinar-video/

海外コンテンポラリーアート オークション情報

3月16日 クリスティーズ ロンドン BANKSY(オンラインセール)
https://www.christies.com/en/auction/banksy-i-can-t-believe-you-morons-actually-buy-this-sh-t-20157-cks/overview

3月23日 クリスティーズ ロンドン イブニングセール
https://www.christies.com/en/auction/20th-century-art-19586-cks/

3月23日 フィリップス ロンドン 20世紀&コンテンポラリー デイセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010221

3月24日 フィリップス ロンドン 20世紀&コンテンポラリー イブニングセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010121

3月25日 クリスティーズ ロンドン コンテンポラリーデイセール
https://www.christies.com/en/auction/post-war-and-contemporary-art-day-sale-19587-ck

3月26日 サザビーズ ロンドン コンテンポラリーアートデイセール
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/contemporary-art-day-auction?locale=en

元クリスティーズ大胡さんがピックアップした海外アートマーケットニュースのページです。コレクターにとって役立つ情報を厳選して月1~2回お届けします。海外アートフェアやオークション情報なども。

著者略歴

大胡 玄(おおご げん)

1975年生まれ・鎌倉市出身
1998年玉川大学経営工学科卒業
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド 入社
2004年 クリスティーズ(NY) 入社  日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト

海外アートマーケットNews Picks!!:2021年2月

この数年黒人作家(特にアフリカ系アメリカ人)の評価がどんどん上がってます。コレクターも増えているようです。
美術館では財政難から解雇や作品売却の話題がある中、アートマーケットでは活況となっており不均衡が浮き彫りなこの頃です。NFT(代替え不可能トークン)は、新たな価値を提供しそうですね。

海外アートニュース

アメリカでは9月の時点で、アート業界の失業率は国全体の失業率の最大で6倍にも達している。10都市の市長はバイデン政権に対して救済処置を講ずるよう声をあげている(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/mayors-call-for-biden-arts-bailout-1940406

新しいレポートは、英国のアート業界の人たちが昨年から開始された新しいマネーロンダリング規制に不本意ながら受け入れていることを示している(artnet)
https://news.artnet.com/market/uk-art-market-regulation-1941147

アンジェリーナジョリーが所有しているウィンストンチャーチルが第二次世界大戦中に描いた絵画を3月1日クリスティーズのオークションに出品した。価格は$3.1Mは行くだろうと予測(artnet)
https://news.artnet.com/market/churchill-painting-angelina-jolie-christies-1940869

新しい「黒人(アフリカ系アメリカ人)アート」ドキュメンタリー:”Black Art: In the Absence of Light”は、美術史家のデイヴィッドC.ドリスケルの研究への深い賞賛となっている。昨年夏にコロナと関連した病気で亡くなった。彼は1976年に”アメリカ黒人アーティストの200年”という展覧会を企画し、これは今日まで様々な点で重要な展覧会と位置付けられている。その後の研究などについて。放送は2月9日からHBO Max(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/black-art-in-the-absence-of-light-hbo-documentary-review-1234582688/

昨年亡くなったジャンクロード クリストの個人手帳が出版された。1960年代初頭不法移民として3年間過ごしその後NYにて様々なアーティストと交わった。特にアンディー ウォーホールとも親密で食事や映画などによく出かけていた。手帳には、”アンディーウォーホールへ電話”といったメモも(The Guardian)
https://www.theguardian.com/artanddesign/2021/feb/07/christo-diary-extracts-call-andy-warhol-published-to-promote-auction

パンデミックの影響で財政難にあるメトロポリタン美術館は約160億円の支払いが待ち受けている。解決策として所蔵品の売却を検討し、オークションハウスと打ち合わせを始めている。これまでは売却基金は新規作品購入のみ利用可能であったが、これからはコレクションの維持するために直接発生した費用についても利用できるようガイドラインの変更の可能性を話し合っている(The New York Times)
https://www.nytimes.com/2021/02/05/arts/design/met-museum-considers-selling-art.html

米国自動車大手フォードの創業家ファミリーが所有する家具や調度品など650点以上の美術品が3月30日にクリスティーズでオークションにかけられる(Bloomberg)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-02-08/christie-s-kathleen-duross-ford-estate-auction-offers-over-650-lots?srnd=pursuits-culture

[ムンクの叫び]に”Can only have been painted by a madman”という作家自身が描いたとする文字を新たな分析で発見した(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/munch-the-scream-study-handwriting-1234584285/

デジタルのGIFアニメ「Nyan Cat」が$560,000(約5,900万円)で落札された。これまで人々は美術品や野球カードなど物理的な商品に感情や美術史的な価値を付け、高額なお金を支払ってきた、しかしデジタル画像をNFT(代替え不可能なトークン)に登録することで、固有性が付加され新たな価値を生んでいる(The New York Times)
https://www.nytimes.com/2021/02/22/business/nft-nba-top-shot-crypto.html

米国の美術館は、コレクション維持の為に作品の売却をするべきではない。
という2009-2017までメトロポリタン美術館ディレクター、現在サンフランシスコ美術館ディレクターのトーマス・キャンベルの長文コメント。これまでは新規作品購入基金創出の為の作品売却であったが、コレクション維持にかかる費用創出の為とガイドラインの枠組みを広めようとしていることに警鐘。パンドラの箱を開けてしまう気がするが、自分は考え過ぎか?と(Apollo Magazine)

https://www.apollo-magazine.com/american-museums-deaccessioning-operating-costs-thomas-campbell/

建築家 安藤忠雄はフランソワ・ピノーの新美術館(旧証券取引所)をいかに転換させたか(Architectural Digest)
https://www.architecturaldigest.com/story/architect-tadao-ando-transformed-paris-bourse-de-commerce

2020年10月英国ノッティンガムに現れたバンクシーの新作は、幾つかの寄贈先との交渉がまとまらず、ブレントウッドのブランドラー ギャラリーに売却された(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/banksy-hula-hooping-mural-nottingham-sold-1234584051/

奈良美智は12年間の海外生活から日本に帰りどのようにしてスタイルを変換したか。そしてひたすら上昇する彼の作品価格について(artnet)
https://news.artnet.com/market/yoshitomo-nara-market-1944355

ホイットニー美術館は財政難の為、11部門中合計15人を解雇した。米国での美術館職員の解雇はまだ継続する模様(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/whitney-museum-lays-off-15-employees-1945672

サイモン デ ピュリー(前フィリップスのオーナー)が語る、なぜインスタグラムがアート産業のプラットフォームになりえたか(artnet)
https://news.artnet.com/opinion/simon-de-pury-instagram-1945211

奈良美智による最初のファッション コラボレーションはステラ マッカートニーと(Galerie)
https://www.galeriemagazine.com/yoshitomo-nara-stella-mccartney/

作家ラシッド ジョンソンの今までに最大の作品がNYの複合ビルのロビーに飾られている。以前は美術館展示室でしか見れなかったミュージアム クオリティーの作品を屋内のパブリックアートへ展示する試みが増えている(Interior Design)
https://www.interiordesign.net/articles/18905-artist-rashid-johnson-s-largest-work-to-date-is-installed-inside-brookfield-place/

コロナの行動規制を緩めたイタリアでは、美術館も静かに再開し普段は観光客で埋まっている館内も地元のビジターがゆっくりと作品を見ている(The Guardian)
https://www.theguardian.com/world/gallery/2021/feb/24/art-unlocked-italys-museums-quietly-reopen-in-pictures

シアトルの故Jane Lang Davis and Richard Langが蒐集した近代絵画のコレクション19点がシアトル美術館へ寄贈された。マークロスコ、ヘレン フランケンサーラー、フランシス ベーコン他。作品と共に$10,500,000(約11億円)を寄付。この基金はコンテンポラリーアート作品のコンディション保全基金へ(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/seattle-art-museum-yale-friday-foundation-gift-1234584669/

欧米の富裕層はプライベートバンクから絵画を担保に多額の融資を受ける件数が増加している。あるエキスパートによると、アートローン市場は42兆円規模の可能性がある。リスクは貸し手がアートローンを投資家に再販していること。投資家は本当にリスクを理解しているのか?アートマーケットは、非常に非流動的で不透明で気まぐれな市場(CNBC)
https://www.cnbc.com/2021/02/25/the-wealthy-are-borrowing-billions-against-their-art-collections-.html

英国ビクトリア&アルバート美術館は、財政難の為大掛かりな人員削減案を近日中に発表する予定。これには学芸員や修復家も含まれる。(ArtReview)
https://artreview.com/staff-at-londons-va-fear-major-redundancy-plan-is-imminent/

コンテンポラリーアート 海外オークション情報

テキサスのコレクター 故アン マリオンのコンテンポラリーアートコレクションが、今春サザビーズNYのオークションに出品。予想落札総額$150,000,000(約160億円)(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2021/02/24/collection-of-texas-heiress-anne-marion-expected-to-fetch-150-m-at-sothebys/

3月 海外オークション スケジュール

3月3日 サザビーズ ロンドン コンテンポラリーアート
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/contemporary-art-london

3月3日 フィリップス NY NewNow
https://www.phillips.com/auctions/auction/NY010121

3月9日 クリスティーズ NY Post-War to Present
https://www.christies.com/en/auction/post-war-to-present-19808-nyr/overview

3月9日(より入札開始) サザビーズ ロンドン BANKSY(オンラインセール)
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/banksy?locale=en

3月11日 クリスティーズNY FirstOpen(オンラインセール)
https://onlineonly.christies.com/s/first-open/lots/2007

3月12日 サザビーズ パリ NOW!
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/now

3月16日 クリスティーズ ロンドン BANKSY(オンラインセール)
https://www.christies.com/en/auction/banksy-i-can-t-believe-you-morons-actually-buy-this-sh-t-20157-cks/overview

3月23日 クリスティーズ ロンドン イブニングセール
https://www.christies.com/en/auction/20th-century-art-19586-cks/

3月23日 フィリップス ロンドン Out of the Blue: the Enea Righi コレクションセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010621

3月23日 フィリップス ロンドン 20世紀&コンテンポラリー デイセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010221

3月24日 フィリップス ロンドン 20世紀&コンテンポラリー イブニングセール
https://www.phillips.com/auctions/auction/UK010121

3月25日 クリスティーズ ロンドン コンテンポラリーデイセール
https://www.christies.com/en/auction/post-war-and-contemporary-art-day-sale-19587-cks/

元クリスティーズ大胡さんがピックアップした海外アートマーケットニュースのページです。コレクターにとって役立つ情報を厳選して月1~2回お届けします。海外アートフェアやオークション情報なども。

著者略歴

大胡 玄(おおご げん)

1975年生まれ・鎌倉市出身
1998年玉川大学経営工学科卒業
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド 入社
2004年 クリスティーズ(NY) 入社  日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト

海外アートマーケットNews Picks!!:2021年1月

海外アートニュース

2020年 ARTnewsで最も読まれた記事20選(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/2020-top-art-stories-1234580390/metoo-medusa-sculpture-new-york/

2020年 オススメアートドキュメンタリー映画 10選(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/2020-best-art-documentaries-1234580425/pat-steir-artist/

フランシス ベーコンを知るために読むべき5冊(The Art Newspaper)
https://www.theartnewspaper.com/blog/an-expert-s-guide-to-francis-bacon-five-must-read-books-on-the-british-painter

水滴の絵画で抽象表現の新たな可能性を生み出した影響力のある韓国の芸術家、金昌烈が91歳で亡くなった(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/kim-tschang-yeul-dead-1234580909/

財政難のサンフランシスコ アート インスティテュートは有名なディエゴ リベラの作品を映画監督のジョージルーカスに約50億円で売却の計画があり(売却後,書類上所有権は変わるが、今まで通りの展示)、学校側は猛反発を受けていた。結果、サンフランシスコは市の史跡に指定し売却は不可能となった(CNN)
https://edition.cnn.com/style/article/san-francisco-supervisors-diego-rivera-mural-trnd/index.html

エバーソン美術館(シラキュース、NY)がジャクソン ポロックを約13億円で売却し、その基金で新規収蔵した作品とは(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/syracuses-everson-museum-acquisitions-1935829

2002年に管理会社の倒産の為長らく閉園していたベルリンのスプレーパークは45,000,000ユーロ(約60億円)をかけて、ギャラリー・アーティストインレジデンスなどの文化施設へ変貌する工事に着手した(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/east-berlin-theme-park-1935512

EUでは古代美術の作品取引について過去の輸入ドキュメントがないと取引不可というEUの美術品規制。しかしBrexitの為英国では過去のドキュメント無しでも古代美術の作品取引が可能に(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/britain-abandons-eu-regulations-cultural-heritage-1935331

昨年はミレニアル世代がパンデミック渦中のアートマーケットを買い支えた。彼らはジュエリーから日本のウィスキーまで様々なコレクタブルアイテムを購入(The Wall Street Journal)
https://www.wsj.com/articles/millennial-buyers-help-global-art-market-survive-the-covid-pandemic-11609779511

英国では美術品を公立美術館・博物館へ寄贈することで、作品の対価が相続税の控除の対象となる制度がある。昨年は約64,000,000英ポンド(約90億円)相当の美術品が公立館へ。(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2020/12/30/arts-council-england-reports-record-65-m-in-works-allocated-to-public-through-inheritance-tax-program/

ギリシャで約2,000坪の元たばこ工場を、巨大なアートスペースへと変えるプロジェクトがある(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/tobacco-factory-athens-art-space-neon-dimitris-daskalopoulos-1234579344/

オーストラリア・ゴールドコーストで約50億円をかけ6階建てのコンプレックスビルにギャラリーなどが入居したりするHome of the art(HOTA)が4月10日にオープンする(Artforum)
https://www.artforum.com/news/new-year-brings-new-art-spaces-to-australia-84889

ガゴシアンギャラリーは、サンフランシスコのギャラリースペースを閉鎖し、閉館していたマルシアーノ私立美術館の建物をガゴシアンギャラリーが引き継ぐ。これによりガゴシアンギャラリーは新たな展開を生む可能性がある。(マルシアーノはファッションアパレルのGUESS創業者)(Artforum)
https://www.artforum.com/news/gagosian-closes-san-francisco-gallery-84864

パンデミック後アート市場に何が起こるのか。サザビーズが予測する2021年に起こる8つのこと(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2021/01/22/after-pandemics-rapid-change-sothebys-has-8-predictions-for-2021/

作品購入の支払いにもっとも安全な方法。パンデミックの影響でアート業界でもオンライン取引が増加している。一般消費財と違い一点物の取引の為、トラブルがあった場合に代替え品がない。どのような安全な選択があるのか。(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-secure-ways-pay-art

海外アートフェア情報

スイス・バーゼルで開催されるアートバーゼルは9月に延期(ArtReview)
https://artreview.com/art-basel-postpones-june-2021-edition-moves-to-september-covid-19/

フリーズ ニューヨークは5月に予定通り開催予定。会場サイズなどは縮小化。今まで200近かった参加ギャラリーは今回は66ギャラリー。5月6日ー9日(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/frieze-new-york-may-2021-exhibitors-list-1234581425/

オランダのマーストリヒトのTEFAFは9月へ延期。TEFAFニューヨークは2021年度はキャンセルし2022年に延期(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/tefaf-2021-schedule-updates-1234582275/

2021年 世界のアートフェア スケジュール一覧(artnet)
https://news.artnet.com/market/art-fairs-2021-1934713

海外アートオークション情報

クリスティーズのオークション売り上げは、昨年比25%減少で$4,4Billion (約4,800億円)。プラベートセール(相対取引)は昨年比57%増で、$1,3Billion(約1,400億円)。合計で$5,7Billion (約6,200億円)。  リリースによると約25億円以上の作品の売買が昨年より活発で100億円以上の作品が3作品売買された。全落札者のうち36%は新規であった(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2020/12/18/christies-announces-preliminary-2020-results-auction-sales-down-25-to-3-4-bn-4-4-m-private-sales-up-57-to-1-3-m/

サザビーズのオークション売り上げは、昨年比27%減少で約3,600億円。プライベートセール(相対取引)は約1,600億円。合計で約5,200億円。(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2020/12/18/sothebys-announces-prelim-2020-sales-at-5bn-auction-down-27-private-sales-up-50/

2月17日 サザビーズ パリ  クリストとジャンヌ=クロードが所有していたアートコレクションがサザビーズのオークションに出品される。 UNWRAPPED-Hidden World。 様々な建造物を梱包してきた二人のプライベートな世界を紐解く(Sotheby’s)
https://www.sothebys.com/en/digital-catalogues/unwrapped-the-hidden-world-of-christo-jeanne-claude?locale=en

3月25日サザビーズ ロンドンのオークションに、1970年代から個人コレクションとなり公開されることのなかった貴重なアーシル ゴーキーとワシリー カンディンスキーがオークションに出品される。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/gorky-kandinsky-works-to-debut-at-sothebys-1234582189/

3月23日クリスティーズ ロンドンのオークションに、ホアン ミロ、アレキサンダー カルダー、フェルナンド レジェなど総計約25億円を見込む作品が出品される(Art Market Monitor)
https://www.artmarketmonitor.com/2021/01/27/calder-miro-leger-and-more-expected-to-fetch-22-m-in-christies-london-20th-century-art-sales/

コンテンポラリーアート専門 海外オークション情報

2月17日 サザビーズ Paris ジャンクロード・クリスト 個人コレクションセール
https://www.sothebys.com/en/digital-catalogues/unwrapped-the-hidden-world-of-christo-jeanne-claude?

2月25日 クリスティーズ NY First Openセール
https://www.christies.com/en/auction/first-open-20138-nyr/

3月3日 フィリップス NY NewNow
https://www.phillips.com/auctions/auction/NY010121

元クリスティーズ大胡さんがピックアップした海外アートマーケットニュースのページです。コレクターにとって役立つ情報を厳選して月1~2回お届けします。海外アートフェアやオークション情報なども。

著者略歴

大胡 玄(おおご げん)

1975年生まれ・鎌倉市出身
1998年玉川大学経営工学科卒業
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド 入社
2004年 クリスティーズ(NY) 入社  日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト

現代アフリカ文庫:アフリカ・リミックス 多様化するアフリカの現代美術

書名:アフリカ・リミックス 多様化するアフリカの現代美術 AFRICA REMIX: Contemporary Art of a Continent
発行年:2006
発行:森美術館
種類:展覧会図録
言語:日本語
会場・開催期日:
森美術館 2006年5月27日−8月31日
クンスト・パラスト美術館(デュッセルドルフ、ドイツ) 2004年7月24日―11月7日
ヘイワード・ギャラリー(ロンドン、イギリス) 2005年2月10日―4月17日
ポンピドゥー・センター 国立近代美術館(パリ、フランス) 2005年5月24日―8月8日
ストックホルム近代美術館(ストックホルム、スウェーデン) 2006年10月14日―2007年1月14日(注1)
ヨハネスブルグ・アート・ギャラリー(ヨハネスブルグ、南アフリカ共和国) 2007年6月24日―9月30日(注2)

25カ国総勢84名のアーティストを展示した国際巡回展の東京会場カタログ。日本では東京・森美術館にて開催。チーフ・キュレーターはシモン・ンジャミ(Simon Njami)、日本展監修は国立民族学博物館(元世田谷美術館)の川口幸也
当時既に国際的に地位を確立していたガーナのエル・アナツィ(El Anatsui)、ピゴッツィ・コレクションからコンゴのシェリ・サンバ(Chéri Samba)やシェリ・シェラン(Chéri Cherin)、アパルト・ヘイト後の南アフリカで政治的メッセージも扱ってきたジェーン・アレクサンダー(Jane Alexander)やウィリアム・ケントリッジ(William Kentridge)、2007年のヴェネツィア・ビエンナーレのアフリカ館で世界の注目を集めることになるナイジェリア系イギリス人のインカ・ショニバレMBE(Yinka Shonibare MBE)(注3)、2019年の同ビエンナーレでマダガスカル館を担当することになるジョエル・アンドリアノメアリソア(Joël Andrianomearisoa)など、世代・地域・バックグラウンド全てにおいて実に多様なアーティストが参加している。
シモン・ンジャミは、かねてより『大地の魔術師たち』展で提示されてきたアフリカ像に異議を唱え、美術展をキュレーションするほか、美術雑誌レヴュ・ノワール(Revue Noir)を創刊して都会的で多様なアフリカ観を提示してきた(注4)。アフリカに関する美術展において独学のアーティストばかりが選出されてきたことだけでなく、「アフリカ」と一括りにしたイメージにおける、サハラ以南の地域(いわゆるブラックアフリカ)への偏ったフォーカスや宗教的多様性の無視を問題視しており(注5)この展示では地域や教育背景についても包括的な人選がなされた。「アフリカ」と入ったこの展覧会タイトルも当初ンジャミが望んだものではなく、最終的に図録の序文のタイトルとなる「混沌と変容(Chaos et métamorphoses)」を展覧会自体のタイトルとして提案していた(注6)。
エッセイパートも、『大地の魔術師たち』のディレクター、ジャン=ユベール・マルタン(Jean-Hubert Martin) が当時のキュレーション方針を振り返るエッセイをはじめ、様々な立場のキュレーターや学者による多様な角度からの論考が収録されており大変充実している。『大地の魔術師たち』以降、ピゴッツィ・コレクションとは異なる立場でアフリカ表象を作ってきた人々の06年の現在地が分かる。東京展図録には、川口幸也による戦後日本におけるアフリカ美術の受容についてのエッセイも掲載されている。

注1:“Africa Remix”, Moderna Museet, https://www.modernamuseet.se/stockholm/en/exhibitions/africa-remix/(最終アクセス2021年1月14日)
注2:“Africa Remix: Contemporary Art of a Continent, Johannesburg Art Gallery, South Africa”, CAACART: The Jean Pigozzi Collection, Web, http://www.caacart.com/pigozzi-exhibition.php?i=Africa-Remix:-Contemporary-Art-of-a-Continent,-Johannesburg-Art-Gallery,-South-Africa&m=223(最終アクセス2021年1月14日)
上記二会場での開催期日は、日本語カタログに掲載されている開催予定期とは異なる。
注3:当時。インカ・ショニバレは2004年にMBE(大英帝国勲章五等勲位)を受勲され、2019年にCBE(大英帝国勲章三等勲位)の称号を授与された。
注4:“New Website for Revue Noire”, Revue Noire [blog post], https://www.revuenoire.com/en/new-web-site-for-revue-noire/
注5:シモン・ンジャミ、「混沌と変容(カオスとメタモルフォーズ)」、『アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術』、森美術館、2006年、p.10
注6:Phillipe Dagen et Serge Michel, «L’art africain» sous le regard de l’Occident, Le Monde Hors-Série, Art, Le printemps Africain, Mai-Juin 2017, p.63

6 ごあいさつ デヴィッド・エリオット
8 アフリカ大陸の地図 Map of Africa
9 混沌と変容(カオスとメタモルフォーズ) シモン・ンジャミ
20 アフリカ、展覧会、暗闇の恐怖 デヴィッド・エリオット
26 アフリカ美術の受容 ジャン=ユベール・マルタン
36 アフリカは北から始まった…… アブデラワハブ・メデブ(マリー=ロール・ベルナダックとの対話)

図版 Plates (章解説:シモン・ンジャミ)
45 アイデンティティと歴史 Identity & History
79 身体と魂 Body & Soul
113 都市と大地 City & Land

162 メイド・イン・アフリカ ジョン・ピクトン
172 アフリーシュ(アフリカという、荒地(フリーシュ)) ジャン=ルー・アンセル
178 アーフリークィヤ(AH-FREAK-IYA):現代アフリカ音楽を聴くために ルーシー・デュラン
180 アフリカ映画における自己表現 マンティア・ディアワラ
186 ジャンルが交錯するパフォーマンスーー演劇から儀式へ、あるいは混沌の美学 ベルナール・ミュレ
193 ファッションとアフリカの理念 フディタ・ヌラ・ムスタファ
199 マルチプレーヤー――アーティスト主導とキュレーターのリレーによるプロジェクト クレモンティーヌ・ドゥリス
207 戦後日本におけるアフリカ美術の受容――その歴史的概観 川口幸也
219 作家略歴および解説 Artists’ Biographies
250 主要参考文献 Selected Bibliography
253 作品リスト List of Works
265 執筆者略歴 Essay Writers’ Biographies

付属CD-Rom
サンプラー(現代アフリカ美術の語彙解説(インデックス付き))Sampler (Terminology of Contemporary Art) with index
作家略歴および解説 Artists’ Biographies
主要参考文献 Selected Bibliography

著者略歴

中村 融子 | Nakamura Yuko

京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻博士課程。東京大学法学部卒業。美術史・人類学の手法を用いて、主にアフリカ現代美術を研究する。美術制度史やアートエコシステムに焦点を当て、近代的美術制度の中心と辺境、陶芸史、現代陶芸もテーマとして扱う。キュレーター、講演等の活動を行っている。
著作に「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』(青幻舎)がある。
https://www.instagram.com/ottk128/

現代アフリカ文庫:Arts of Africa: The Contemporary Collection of Jean Pigozzi

書名:Arts of Africa: The Contemporary Collection of Jean Pigozzi
発行年:2005
発行:Grimaldi Forum, Monaco (Skira Edition)
種類:コレクション・カタログ(Arts of Africa: From Traditional Arts to the Jean Pigozzi Contemporary Collectionに出品した作品を収録)
言語:英語
会場・開催期日:
Grimaldi Forum, Monaco グリマルディ・フォーラム(モナコ)
2005年7月16日―9月4日

モナコで開催された美術展への出品を機に出版された、世界最大の現代アフリカ美術コレクションであるピゴッツィ・コレクションのコレクションカタログ。同コレクションのディレクターであるアンドレ・マニャン(André Magnin)が編著を務める。『大地の魔術師たち』展を最終日に訪れた資産家ジャン・ピゴッツィ(Jean Pigozzi)は、展覧会のアフリカに関するリサーチを担当したキュレーター、アンドレ・マニャンと出会い意気投合し、コレクションを立ち上げる。このカタログに収録されている、アール・ポピュレールの画家シェリ・サンバ(Chéri Samba)、未来都市の模型的な彫刻で知られるボディス・イセク・キンゲレス(Bodys Isek Kingelez)や、スタジオ写真家だったマリク・シディベ(Malick Sidibé)ら、サブ・サハラの独学の作家たちを見出してきた。マニャンが見出した作家の作品を、ピゴッツィの財力で大量に買い上げ、そのコレクションを用いた展覧会を世界中の美術館等で実施する(注1)。こうしたキュレーションと、見事なプロデュースによって、90~00年代を通じて国際的な現代美術シーンに独学の作家たちを「アーティスト」として認めさせてきた(注2)。2019年にはピゴッツィは、ニューヨーク近代美術館にシェリ・サンバ作品を含む45点のコレクション作品を寄付し、これらのアーティストは美術の「正史」に名を刻むことになる(注3)。
ピゴッツィのコレクターとしての歩みや独自の哲学、マニャンのアフリカへの情熱が語られるエッセイを収録。コレクション形成の経緯と共に、独学の作家のみを扱う方針の背後にある意図を説明し、『大地の魔術師たち』展以来受けてきた「アフリカへのステレオタイプを強化する」との批判にも応答する。2005年当時の、アフリカ現代美術の表象をめぐる白熱した議論が伝わる。マニャンはアフリカ大陸内でのアートのあり方の問題にも言及し、2005年当時オープンしたばかりの、ベナンのジンスー財団について、ローカルなアートエコシステムを根付かせる野心的な試みを評価している(注4)。(表紙のデザインに名前が隠れている。見つけてみよう。)

注1: André Magnin, “A Prospecting Life”, Arts of Africa: The Contemporary Collection of Jean Pigozzi, Milan, Skira, 2005, pp.12-22 参照。
注2:アンドレ・マニャンは、「現在のアートシーンは、我々の選択が間違っていなかったことを証明しているようだ。」”The current art scene seems to have vindicated our choices.” (前掲注1、p.27) と語る。
注3:拙稿「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『アフリカ現代文化の今』(青幻舎、2020年)pp.91-92の年表では、1989年から2019年までのマニャンとピゴッツィが手がけた展覧会の歴史もまとめた。
注4:前掲注1、p.33

目次
12 Jean Pigozzi A Collecting Life
22 André Magnin A Prospecting Life
40 Universe of A Collection
213 Everyday Art
357 Appendix

著者略歴

中村 融子 | Nakamura Yuko

京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻博士課程。東京大学法学部卒業。美術史・人類学の手法を用いて、主にアフリカ現代美術を研究する。美術制度史やアートエコシステムに焦点を当て、近代的美術制度の中心と辺境、陶芸史、現代陶芸もテーマとして扱う。キュレーター、講演等の活動を行っている。
著作に「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』(青幻舎)がある。
https://www.instagram.com/ottk128/

現代アフリカ文庫:インサイド・ストーリー アフリカの同時代美術

書名:インサイド・ストーリー アフリカの同時代美術 An Inside Story: African Art of Our Time
発行年:1995
発行:美術館連絡協議会、読売新聞社
種類:展覧会図録
言語:日本語/英語・フランス語
会場・開催期日:
世田谷美術館 1995年9月23日―11月19日
徳島県立近代美術館 1996年1月20日―3月17日
姫路市立美術館 1996年4月6日―5月6日
郡山市立美術館 1996年5月18日―6月23日
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 1996年7月7日―9月1日
岐阜県美術館 1996年9月13日−10月27日

当時、世田谷美術館に在籍した川口幸也が主な企画者となり、日本で初めて開催された現代のアフリカ人アーティストの美術展。まず注目すべきは、エル・アナツィ(El Anatsui)やロミュアルド・アズメ(Romuald Hazoumè)ら現在、世界的な存在となったアーティストの初期作品が展示されている点であろう。特に、同年にオクトーバー・ギャラリーでの初個展を開催した(注1)エル・アナツィによる木彫作品は見事であり、現在では最もよく知られる布をモチーフにしたオブジェを作り始める前の、彼のアーティストとしての軌跡を知ることができる。90年代半ばにこうしたコレクションが世田谷美術館に形成されたことの意義は大きい(注2)。
またこの展示は、植民地支配下の1920年ごろから西洋人によって開かれた私塾で描かれた「絵画」作品、アフリカ諸国で独立期(1960年代から70年代)モダニズム作品を展示し、90年代に至るアフリカの美術を取り巻く近現代史の紹介を試みた。同時に、セネガルのガラス絵や各国のストリートアートなど、人々の生活に馴染みの深い都市のアートも同時に展示された。その分類と解説のトーンに、90年代当時のアフリカ現代美術シーンの状況が反映されている。エッセイパートでは、ダカールの研究者が(当時の)セネガルの現代美術動向を美術制度史を抑えつつ紹介する小論文、独立前後のアフリカで勃興したモダニズム美術運動についてのエッセイのほか、日本人研究者たちによるアフリカ美術らしさを期待するまなざしを見つめ直す論考などが収録されている。90年代当時のアフリカと西洋中心的な美術制度の関係や、それをめぐる議論の状況が理解できる。

注1:オクトーバー・ギャラリーは、ロンドンにあるアフリカを含む非西洋のアーティストを多く扱ってきた有名ギャラリー。トランス・アヴァンギャルド運動の先駆的な存在としても知られる。エル・アナツィのギャラリー展示についてhttps://octobergallery.co.uk/artists/anatsuiを参照。
注2:同館はこれ以降アフリカの美術コレクションを形成し、2018年−2019年には 「ミュージアムコレクションⅢ アフリカ現代美術コレクションのすべて」を開催した。

目次
8 序論 川口幸也
11 ポスト=コロニアル時代のアフリカ現代美術 デレ・ジェゲデ
14 セネガルの現代造形美術――状況と展望 アブドゥ・シィラ
20 オショボ ウリ・バイアー
23 ヴォウヴォウ クラ・ンゲッサン

カタログ
27 I. プロローグ
35 II. フリー・スクールの時代
73 III. 伝統とモダニズム
95 IV. アートを超えて

154 所感:アフリカと私の今――ムスタファ・ディメの作品から 古川秀昭
156 私が見たアフリカ「美術」の一断面 菅野洋人
157 アフリカの感性――その静かな一面 吉原美恵子
158 アフリカの新しい伝統:いま,アビジャンのストリートから 鈴木ひろゆき
160 インサイド・ストーリーあるいはオーセンティシティの神話 川口幸也

164 Introduction by Yukiya Kawaguchi
166 Contemporary Art in Post-Colonial Africa by Dele Jegede, Ph.D
169 Les arts plastiques sénégalais contemporains: situation et perspectives par Abdou Sylla
175 Oshobo by Ulli Beier
177 Le “Vohou Vohou” par Kra N’Guessan
179 Catalogue
I. Prologue
II. The Age of Free School
III. Tradition and Modernism
IV. Beyond Art

190 Africa and Myself: Impressions of the works of Moustapha Dimé by Hideaki Furukawa
192 A Cross-Section of the African “Art” I Have Seen by Hiroto Kanno
193 The Quiet Side of African Sensibility by Mieko Yoshihara
194 New African Traditions: From the Streets of Abidjan by Hiroyuki Suzuki
196 An Inside Story: The Myth of Authenticity by Yukiya Kawaguchi
198 関連年表
199 主要参考文献 / Selected Bibliography

著者略歴

中村 融子 | Nakamura Yuko

京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻博士課程。東京大学法学部卒業。美術史・人類学の手法を用いて、主にアフリカ現代美術を研究する。美術制度史やアートエコシステムに焦点を当て、近代的美術制度の中心と辺境、陶芸史、現代陶芸もテーマとして扱う。キュレーター、講演等の活動を行っている。
著作に「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』(青幻舎)がある。
https://www.instagram.com/ottk128/

現代アフリカ文庫:Magiciens de la Terre

書名:Magiciens de la Terre マジシャン・ドゥ・ラ・テール 大地の魔術師たち
発行年:1989
発行:Centre Pompidou, Paris
種類:美術展図録
言語:フランス語
会場・開催期日:
Musée national d’art moderne Centre Georges Pompidou et Grand Halle de La Villette, Paris
ジョージ・ポンピドゥ・センター国立近代美術館、ラ・ヴィレット大ホール(パリ、フランス)
1989年5月18日―8月14日

欧米の主要美術館においてアフリカの現代作家を展示した初めての大規模展であり、現在のシーンを形作る多くの論争やキュレーション・コレクションのきっかけとなった、現代アフリカ美術にとって記念碑的展覧会。
1984年にニューヨーク近代美術館で開催された『20世紀美術におけるプリミティビズムー「部族的」なるものと「モダン」なるものとの親縁性』に寄せられた批判に応答して(注1)、西洋と非西洋のアーティスト100人を一堂に集めて同じ地平で展示するという、当時としては画期的な試みだった。アフリカ現代美術への多大な影響で知られるが、西洋を含む世界各国の作品を西洋中心的ではない形で提示した展覧会であり、実は、日本からも河口龍夫や、宮島達男らが参加している。この展覧会は大きな論争を巻き起こしたが、発展途上国、特にアフリカの選出アーティストが「独学」の作家たちに限られたことに批判が集まった(注2)。すでに近代的なアカデミズムに基づいた美術学校がアフリカ諸国にあるにも関わらず(注3)、民衆的な造形の職人や独学の作家を恣意的に選ぶことで、西洋の見たい「野性的なアフリカ」像、アフリカに対するステレオタイプを上塗りしているのではないかという批判である。
この展覧会では4人のキュレーターで地球上の地域を分担してリサーチした。その際アフリカを担当したのが、のちにアフリカ現代美術シーンのレジェンドとなるキュレーター&ギャラリストのアンドレ・マニャン(André Magnin)である。そして彼は、最終日に訪れた大富豪ジャン・ピゴッツィ(Jean Pigozzi)と共にアフリカ現代美術の大規模コレクションを形成し、2019年にはニューヨーク近代美術館にコレクションの一部を寄贈することになる。
展覧会に批判的な立場からも、新たな展示や美術雑誌の創刊など様々なアクションがとられた(注4)。そして、現代のアフリカの表象をめぐる応酬が、キュレーションやコレクションを通じて活発に行われることで、アフリカ現代美術シーンはますます発展して行ったのである。

注1:「『20世紀美術におけるプリミティビズムー「部族的」なるものと「モダン」なるものとの親縁性』と異なり」 (À la différence de l’exposition de 1984 «Primitivism in Twentieth Century Art: Affinity of the Tribal and the Modern») “Magiciens de la Terre”, Centre Georges Pompidou, Web, https://www.centrepompidou.fr/fr/programme/agenda/evenement/cTEXnL(2021年1月10日アクセス)。
注2:展覧会の後の批評や議論の展開については、Lucy Steeds et al., Making Art Global (Part 2) ‘Magiciens de la Terre’ 1989, Afterall Books, 2013 に詳しい
注3:Chika Okeke-Agulu and Okwui Enwezor, African Contemporary Art Since 1980, Damiani, 2009, p.10
注4:拙稿「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『アフリカ現代文化の今』(青幻舎、2020年)pp.91-92の年表参照。

目次
8-11 Préface Jean-Hubert Martin
12-13 IL – visiteur qui cherche le sens? – joue à revenir sur ses pas. Aline Luque
14-15 True Stories, ou Carte du monde poétique Mark Francis
16-17 6° 48′ Sud 38° 39′ Est André Magnin
18-19 La planète tout entière, enfin… Pierre Gaudibert
20-23 Ouverture du piège: l’exposition postmoderne et «Magiciens de la Terre» Thomas MacEvilley
24-27 Hybridité, identité et culture contemporaine Homi Bhabha
28-31 Ravissantes périphéries Jacques Soulillou
33-70 L’Autre, ce grand alibi Bernard Marcadé

著者略歴

中村 融子 | Nakamura Yuko

京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻博士課程。東京大学法学部卒業。美術史・人類学の手法を用いて、主にアフリカ現代美術を研究する。美術制度史やアートエコシステムに焦点を当て、近代的美術制度の中心と辺境、陶芸史、現代陶芸もテーマとして扱う。キュレーター、講演等の活動を行っている。
著作に「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々」『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』(青幻舎)がある。
https://www.instagram.com/ottk128/