海外アートマーケットNews Picks!!:2021年12月
今年はNFT元年ともいうべき年でした。コロナで様々な業界が厳しい中オークション会社は海外・国内問わず最高記録を出すなどの活況が目立ちました。海外では数十億円規模の文化投資が各国で行われていますが日本の現状に危惧してしまう年末です。
■海外アートニュース
アートバーゼル マイアミのベストブース14選(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/art-basel-miami-beach-2021-best-booths-1234611797/
1984年アンディー・ウォーホルは、Lynn Goldsmith が撮影した歌手プリンスのポートレート写真を使用して作品を制作したが、Goldsmith 側は許可無く自身の画像を使用されたとして訴訟を起こしている。ウォーホール財団は敗訴したが上告し最高裁へ …。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/warhol-foundation-lynn-goldsmith-prince-portraits-supreme-court-petition-1234613026/
チームラボは似たような没入型作品を制作した中国企業へ訴訟を起こし勝訴した。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/teamlab-wins-copyright-case-china-2049729
メラニア・トランプは彼女の独自のNFTプラットフォームを開始した。元大統領夫人として最初の活動となる。”このプラットフォームを通じて子供たちのコンピューターサイエンススキルを向上させ、プログラミングやソフトウェアの発展に寄与したい”(artnet)
https://news.artnet.com/market/melania-trump-launched-nft-platform-first-offering-watercolor-eyes-branded-amulet-inspire-2049967
イタリア ウフィツィ美術館と上海 Bund One 美術館はイタリア・ルネサンスの傑作を含むフィレンツェ美術館の作品を特集した5年間で上海で10回の展示会を予定する協定に署名した(Ministry of Foreign Affairs and International Cooperation, Italy)
https://www.esteri.it/en/sala_stampa/archivionotizie/comunicati/2021/11/firmato-accordo-uffizi-bund-di-shanghai-di-maio-racconto-a-tutto-tondo-del-nostro-paese-e-delle-sue-meraviglie/
同じ版画を所有している別々の2人は各々のNFTを作成できるのか?アメリカ著作権協会の Katarina Feder が全ての質問に答えます(artnet)
https://news.artnet.com/opinion/know-rights-november-2040760
元クリスティーズの Loïc Gouzer はNFTの新会社”Particle"を設立。第1弾としてバンクシーの《 Love is in the Air 》を先日のオークションで$12.9Mで購入、これをNFTで分散所有化する。10,000NFTをトークン化し、2022年1月10日〜14日の間に1NFTあたり1,500米ドルで売り出す。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/particle-nfts-banksy-1234610311/
米国ワシントンD.C. のハーシュホーン美術館は、杉本博司が設計した彫刻庭園計画がボードメンバーから承認を得た(ArtDaily)
https://artdaily.cc/news/141791/Hirshhorn-wins-approval-for-Hiroshi-Sugimoto-s-Sculpture-Garden-revitalization
故ラガーフェルドの遺品(アート、服飾、その他)などがサザビーズでオークションにかけられ総額$13.5Mになった(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/karl-lagerfeld-sale-monaco-2044912
クリスティーズは OpenSea という会社のプラットフォームを利用して新たにNFTのオークションを開催した。従来のオークションと違いエスティメートが表示されない、など仕組みの違いもあったのか結果はあまり伸びなかった(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/christies-opensea-nft-sale-1234612759/
ARTBnkがデロイトの2021年アート&ファイナンスレポートの各スライドを引用掲載。引き続きアートの所有や65%のコレクターは作品の資産継承サービスに相談し、美術品を担保にしたアートローンは2019年から1.5倍に増加し、成長している。(ARTBnk)
https://www.artbnk.com/blog/2021/12/9/art-as-a-financial-asset-deloitte
2021年、マーケットトレンドを変えたオークション落札結果5選。① Beeple、 ② Banksyの刻まれた作品の再オークション、③ Frida Kahlo($35M)、④サザビーズがラスベガスで開催したMGMリゾーツのピカソ10作品オークション、⑤アフリカ系アメリカ人アーティスト Robert Colescott の作品を落札したのはジョージ・ルーカスだった。2023年に開館する美術館のコレクション(LiveArt)
https://liveart.io/blogs/editorials/five-sales-that-changed-the-art-market-in-2021
ブロンクス美術館は開館50年経過し、約23億円の寄付により改装を始める。館長は「改装後はもっとローカルコミュニティーと距離の近い美術館を目指す」とコメント(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/bronx-museum-announces-50th-anniversary-transformational-renovation-2050029
シャネルは2021年のアワード受賞者10名を発表した。このアワードはアート、ミュージシャン、パフォーマンスなどの分野から選出。各作家に100,000ユーロが贈られる。シャネル・カルチャー・ファンドは、パリ・ポンピドゥセンター、ロンドン・ナショナルポートレートギャラリー、ロサンゼルス・アンダーグラウンド美術館、モスクワ・GES-2と連携して文化支援を行っていく(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/chanel-next-prize-2021-winners-1234613106/
サザビーズは2021年$7,300,000,000(約8,200億円)と売り上げを発表。過去最高(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/sothebys-2021-sales-record-1234613533/
クリスティーズは2021年$7,100,000,000(約8,000億円)と売り上げを発表。この5年間で最高金額となった(artnet)
https://news.artnet.com/market/christies-reports-2021-results-best-five-years-2052122
フィリップスは2021年$1,200,000,000(約1,300億円)と売り上げを発表。2019年の売上高から35%のアップを記録。香港の本社は西カオルーン地区に新社屋を構える。「この社屋を構えることにより今までホテルを利用していた段階から一段階上がり、常にオークションやプライベートセールを開催できる体制を整えた」とコメント(artnet)
https://news.artnet.com/market/phillips-expanding-asia-west-kowloon-2049977
■海外アートフェア情報
2月17日 - 20日 フリーズLA ロサンゼルス
https://www.frieze.com/fairs/frieze-los-angeles
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立