海外アートマーケットNews Picks!!:2024年5月前半
■海外アートニュース
動向
2010年以来毎年2,000万ドル(約31億2,900万円)以上を提供してきたバンク・オブ・アメリカ(BAC)の芸術保護プロジェクトが新たな資金提供を決定した。今年の助成金金額はまだ明らかにされていないが、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、英国、フランス、イタリア、オランダ、南アフリカ、インド、日本の24の非営利文化施設に寄付される。(Observer)
https://observer.com/2024/04/bank-of-america-art-conservation-project-2024-grantees/
ギャラリー
デイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーが5月23日にロサンゼルスに3番目で最大規模の拠点をオープンする。この新ギャラリーは、ツヴィルナーが昨年の春にオープンした2つのギャラリーに隣接し、設計はニューヨークのチェルシー地区にある新本社の建築家としてツヴィルナー氏に選ばれたアナベル・セルドルフ氏が担当している。(Artforum)
https://www.artforum.com/news/zwirner-to-christen-los-angeles-flagship-553552/
美術館
irbnbがオルセー美術館での宿泊を提供すると発表した。このプランはフランス人デザイナー、マティー ユ・ルアヌールによって改装されたオルセー美術館の時計室での宿泊を提供するもので、オルセーの印象派所蔵品を閲覧するためのプライベートアクセスと、「一般公開されていないスペース」の舞台裏訪問が含まれる。そして、オリンピック開会式の素晴らしい景色も見ることができるとのことだ。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/airbnb-icon-musee-dorsay-ferrari-museum-2479885
2024年メットガラの素晴らしいルックに反映されたアートは何か?ドレスコードが「時の庭」だったこともあり花柄が多かった印象から、メットボールのルックと、確かに彼らにインスピレーションを与えたと思われる傑作を記事内でご紹介する。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/art-history-best-outfits-met-gala-2024-2482146
アーティスト
5月4日に87歳で亡くなったフランク・ステラ。抽象芸術の巨匠は、空間を根本的に変えることができる強力な作品を生み出してきたが、記事ではステラのアートワークが主役となる7つの魅惑的なインテリアを紹介する。(Galerie Magazine)
https://galeriemagazine.com/frank-stella-artwork-interiors/
ミニマリズムから極端な抽象主義に移行したアメリカ人アーティストのフランク・ステラが、5月4日に87歳で死去。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/frank-stella-dead-87-2481352
マウリツィオ・カテランとアンソニー・ジェームスによる、非常によく似た作品を展示する2つの展覧会がニューヨークで同日開幕した。作品は銃撃によってあばた状になった反射する金属の大きなパネルで構成されており、違いはジェームズは鏡面仕上げのステンレス鋼、カテランは金であること、ジェームスはこれらの作品を10年間創作してきたが、カテランにとってこれはこの系統の最初の作品であることだ。これに対し、ジェームズは弁護士を通してカテランに法的文書を送付したことを明らかにした。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/anthony-james-maurizio-cattelan-lawyers-letter-process-2483425
あまり知られていない72歳の日本人画家がオークションで話題になっている。彼女の名前は山口貴子、2023年以前、山口の作品は市場関係者にはほとんど知られていなかったが、この1年だけでも、彼女の作品は大手オークションハウスで注目を集め、1つは100万ドル(約1億6,000万円)以上の落札を記録した。5月、彼女の作品のいくつかがクリスティーズとサザビーズのイブニング・セールで、有名アーティストの作品と並んで並ぶことになり、サザビーズでは1998年の無題の油絵とメタル箔の絵画に40万ドル(約6,300万円)から60万ドル(約9,400万円)の価値があると見積もられている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/takako-yamaguchi-new-york-christies-sothebys-evening-sales-2024-1234705592/
アートフェア
ニューヨーク・アート・ウィークが2週目に突入したが、今後現在開催されているアートフェアの数を維持できるのだろうかと疑問に感じるフェアも多かった。TEFAFも今回は精彩を欠いているように見えたが、その中でも2024年版TEFAFニューヨークで展示されるもののベスト一覧をご紹介する。(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/market/tefaf-new-york-2024-best-booths-1234706509/norberto-nicola-at-nara-roesler
9月にフリーズ・アート・フェアとキアフ・アート・フェアが開催されるなど注目を集める近年の韓国アートシーン。ソウルには国際美術館、ギャラリー ヒュンダイ、アラリオ、アート・ソンジェ・センターなど、韓国の近現代美術の先駆者が集まっている。そこで記事では、韓国のアートシーンに波を起こす6人のコレクターを紹介する。(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-meet-6-collectors-making-waves-south-korean-art-scene
■海外アートフェア
アートバーゼル バーゼル 6月11日・12日(招待客のみ)、13日 - 16日(一般公開)
https://www.artbasel.com/basel/at-the-show
■海外アートオークション
5月下旬はクリスティーズ 香港でオークションですが、サイバー攻撃によるシステムダウンの為HPまだ見れません。
6月4日〜14日はヨーロッパへ行ってます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立