海外アートマーケットNews Picks!!:2024年6月前半

■海外アートニュース

アートバーゼル

6月11日、アート・バーゼルは賑やかなVIPプレビューデーで2024年版をスタート。約285のギャラリーが参加し、オープニングには人であふれ、1946年から47年にかけてア-シル・ゴーキーが制作した作品がハウザー&ワースのブースで1,600万ドル(約25億3,000万円)、アンリミテッド部門でデイヴィッド・ツヴィルナーが展示した草間彌生の彫刻は500万ドル(約7億9,000万円)で売れるなど好調な出だしを見せた。記事ではアート・バーゼルのベストブースを紹介する。(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/market/art-basel-2024-best-booths-1234709554

2024年アート・バーゼル、初日の売上が好調でアート界は安堵のため息をついた。ディーラーは前年とは異なり、事前のPDF経由ではなく対面での購入が増えたと話しており、多くの人が熱狂しているのを感じていたようだ。午後までにはデイヴィッド・ツヴィルナーがジョアン・ミッチェルの二連画《 Sunflowers 》を1800万ドル(約28億4,000万円)で売却し、「とても力強いフェアだったと思います」とツヴィルナー自身が語った。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/art-basel-2024-sales-report-1234709517

事件

ハッカーがクリスティーズの顧客データをオークションに出品した。ハッカー集団RansomHubが顧客情報をハッキングしたというニュースが出た後の5月30日、クリスティーズは流出した顧客情報を詳述した手紙を顧客に送付、また連邦捜査局と英国警察にも通知した。その数時間後、RansomHubは「オークションでデータを販売しましょう」とダークウェブに投稿したが、専門家は「この情報を購入したいと考える人がいる可能性は極めて低く、単にChristie’sから金を取るための苦し紛れの一手に過ぎない可能性がある」と述べた。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/christies-reveals-hacked-data-ransomhub-offers-auction-2495356

略奪品関連

シカゴの米連邦判事が、日本企業が所有するゴッホのひまわりの絵画に対するナチスの略奪品の主張を却下した。管轄権がないとして訴訟は却下されたため、この作品は東京のSOMPO美術館に残ることになる。原告らは2022年12月、1987年にロンドンのクリスティーズで当時の最高額である2500万ポンド(約50億3,000万円*現在の価格換算)で絵画を購入した日本企業のSOMPOホールディングスが、作品の疑わしい来歴を故意に無視したと主張していた。(The Art Newspaper)
https://www.theartnewspaper.com/2024/06/06/us-judge-rejects-van-gogh-sunflowers-nazi-loot-claim

アーティスト

草間彌生が今夏、英国初のパブリックインスタレーションを発表する。「Infinite Accumulation」と題されたこの作品はリバプール・ストリート駅に展示され「駅の外の公共スペースと関わり、それを定義づけるリンクされた形」になるとされている。また同時期に、ビクトリア・ミロでも「Every Day I Pray For Love」と題された新しい個展が開催される。「Every Day I Pray For Love」は9月25日から2024年11月2日まで、「Infinite Accumulation」は7月9日から秋まで開催される予定だ。(HYPEBEAST)
https://hypebeast.com/2024/6/yayoi-kusama-victoria-miro-london-infinite-accumulation

美術館

ヒューストン現代美術館(CAMH)が「Six Scenes From Our Future展」を開催し、設立75周年を祝った。米国で4番目に人口の多いこの都市で、CAMHはヒューストンの文化的景観を定義する施設として長い間機能してきた。数度の移転を経て、現在再び拡張の可能性を視野に入れてプランを進めている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/after-more-than-75-years-contemporary-arts-museum-houston-eyes-its-future-with-an-expansion-1234708922

サンタモニカのダウンタウンにある旧シアーズデパートの敷地に、新しくSCI-FI WORLD: The Experience博物館がオープンする予定。ニュー・スターシップ財団という非営利団体が始めたこの博物館は、ファンやウィリアム・シャトナー、ジョージ・タケイなどの支援を受けており、あらゆる種類の映画やテレビのSFの記念品を展示する。(Deadline)
https://deadline.com/2024/06/sci-fi-world-museum-movies-tv-santa-monica-commentary-michael-cieply-1235963055/

オークション

今秋ロンドンで開催されるサザビーズの現代美術オークションで、ジャン=ミシェル・バスキアの三連画《 若き浮浪者の肖像 》が3年ぶりに出品されるが、予想落札価格は2022年出品時の3000万ドル(約47億2,000万円)に比べてほぼ半額の1500万~2000万ドル(約23億6,000万~約31億5,000万円)となるようだ。この理由はコレクターが高額品購入に対し慎重になっていること、そしてオークションハウスが高金利による新たな購買習慣に合うように見積り額を調整していることが考えられる。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/basquiat-triptych-sothebys-london-1234709905

文化施設

イタリアは、政府が「ヨーロッパ最大の文化インフラ」と主張する施設、かつては巨大な病院と救貧院だったナポリのアルベルゴ・デイ・ポーヴェリの改修建設に着手した。その一部は、ナポリ国立考古学博物館(MANN)の新しいスペースとして使用され、同市の進行中の文化遺産復興の明るい兆しとなることが期待されている。アルベルゴ・デイ・ポーヴェリの床面積は10万平方メートルを超え、ヨーロッパ最大級の歴史的建造物の一つとなっている。(The Art Newspaper)
https://www.theartnewspaper.com/2024/06/10/mega-museum-planned-for-vast-former-hospital-in-naples


著者

大胡 玄 (おおご げん)

大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立