海外アートマーケットNews Picks!!:2024年9月後半
■海外アートニュース
ギャラリー
パリ、香港、ニューヨーク、ソウル、東京、上海、ロサンゼルスでギャラリーを運営する大物ディーラー、エマニュエル・ペロタンは、村上隆、ソフィー・カル、クララ・クリスタロヴァなど17人のアーティストとともに、故郷パリのポンピドゥー・センターに23点の作品を寄贈することを発表した。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/perrotin-donates-17-works-to-the-pompidou-2536438
マーケット動向
世界の高級品に対する支出を分析した最近の調査によると、昨年の美術品売上はわずか1~3%しか伸びなかったのに対し、高級品部門全体は8~10%の成長を記録した。コンサルティング会社とイタリアの高級品協会によると、総収益は世界の高級品市場を約1.66兆ドル(約236兆1,980億6,000万円)と推定しており、そのうち美術品はわずか450億ドル(約6兆4,029億6,000万円)を占めるにとどまっている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/luxury-sector-art-sales-report-bain-altagamma-1234717888
ベストセラーリスト:専門家が6つのカテゴリーの最高金額落札ロットを分析。 ヨーロッパのオールドマスターから超現代まで、2024年オークションで最も売れたアーティストトップ10を発表。(artnet)
https://news.artnet.com/market/the-best-seller-list-experts-analyze-the-trophy-lots-across-6-categories-2539282
オークション
美容業界の先駆者であるシデル・ミラーの2億ドル(約284億6,000万円)の美術コレクションが、11月にサザビーズのニューヨークオークションに出品予定だ。注目作品は、オークションに初登場となるモネの「Nymphéas (睡蓮)」(1914-17年)が約6,000万ドル(約85億3,000万円)、パブロ・ピカソの「La Statuaire (彫像)」(1925年)が約3,000万ドル(約42億7,000万円)と推定されている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/sydell-millers-sothebys-new-york-auction-november-1234717900
美術大学
150年近い歴史を持つフィラデルフィアの美術大学(UArts)は、1週間の予告期間を経て今夏に閉鎖した後、連邦破産法第7章の適用を申請した。同校は「UArts は長年にわたり入学者数、収益の減少、経費の増加が続き、財政状態が危うい」とする声明を発表し、収益では賄えない大規模なインフラの修理に直面していた。今回の破産手続きによりインターシティ地区の不動産を売却し、4,600万ドル(約65億4,000万円)の債券負債を返済する。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/philadelphia-university-arts-files-bankruptcy-2537286
美術館
ワシントン国立美術館とオーストラリアのビクトリア国立美術館(NGV)は、両一流芸術機関の常設コレクションの世界的な交換を促進する文化提携を発表した。この提携による初の展覧会はNGVが北米の観客のために特別に企画し、メルボルンにある同美術館の世界有数のコレクションから厳選したアボリジニとトレス海峡諸島民の作品による*「The Stars We Do Not See」。*2025年10月18日にワシントン、その後コロラド州のデンバー美術館、オレゴン州のポートランド美術館、マサチューセッツ州のピーボディ エセックス美術館、カナダのロイヤル オンタリオ博物館を巡回する。(National Gallery press release)
https://21700922.fs1.hubspotusercontent-na1.net/hubfs/21700922/9.18_Stars%20We%20Do%20Not%20See_Press%20Release_NGA_Final-Updated.pdf
アメリカの美術館で一番多く展示されているアーティストは誰か?
200の美術館の展示プログラムを精査し、最も頻繁に登場するアーティストを調査した。施設の大小を区別せず、キャリア回顧展を最も高く評価し、次に個展、特別委託、隔年での展示、そしてテーマ別グループ展への参加をランク付けした結果を紹介する(注: 執筆者の主観もかなり含まれる)。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/most-popular-artists-museums-united-states-2537555
ネブラスカ州オマハにある州最大の美術館・ジョスリン美術館が、42,000平方フィートの新しいパビリオン、エド・ルシェの紙に描かれた作品の素晴らしい展示、いくつかの特別委託作品とともに拡張後再オープンした。デザインは国際的に評価の高い建築会社スノヘッタ、工事規模は1億ドル(約142億円)に上る。(Galerie Magazine)
https://galeriemagazine.com/snohetta-joslyn-museum
AI アートのパイオニアであるレフィーク・アナドールが、世界初の人工知能美術館・DATALAND のオープン計画を発表した。2025年にオープン予定で、データ視覚化とアルゴリズムの革新に特化したDATALANDは、ゲーリー設計のグランド LAに設置され、ロサンゼルス現代美術館、ザ ブロードなど、ロサンゼルスのダウンタウンにあるランドマーク的な芸術文化施設の仲間入りを果たす。(HYPEBEAST)
https://hypebeast.com/2024/9/refik-anadol-dataland-ai-museum-announcement
マーケットレポート
Artsyの年次調査レポート:Art Collector Insights 2024を公開。6大陸から集まった2,100人以上のアート購入者の回答から集計された調査結果から、今日のアート収集を形作る主要な要因が浮かび上がっている。記事ではレポートの概要を紹介。すべての調査結果もPDFとしてダウンロードすることが可能だ。(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-art-collector-insights-2024
コレクター
巨大コレクターのエイドリアン・チェン氏が、財政難が報じられたことを受け、アジア有数の不動産開発会社のCEOを退任した。香港で最も裕福な一族の子孫である44歳のチェン氏は芸術と文化を商業と融合させたK11ブランドの創始者としてよく知られているが、退任に伴いブランドも再編される予定だ。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/adrian-cheng-steps-down-2543034
コレクション
Artsyがこの秋、サーチ コレクションの作品 500点の3部構成オークションを開催する(第一回はすでに終了)。この記念として、常に人気のあるプログラムを運営し続けているサーチ・ギャラリーで開催された5つの重要な展覧会を通じて、サーチの美術品収集がイギリスの美術界に与えた影響を振り返る。(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-5-saatchi-gallery-exhibitions-changed-british-art
■アートフェアスケジュール
フリーズ ロンドン 10月9日(招待者のみ)10日ー13日(一般公開)
https://www.frieze.com/fairs/frieze-london-frieze-masters/visitor-information
パリ バーゼル 10月16日&17日(招待者のみ)18日ー20日(一般公開)
https://www.artbasel.com/paris/visitor-information
■オークションスケジュール
10月9日 クリスティーズ ロンドン イブニングセール
10月9日 サザビーズ ロンドン イブニングセール
10月10日 クリスティーズ ロンドン デイセール
10月10日 サザビーズ ロンドン デイセール
10月10日 フィリップス ロンドン イブニングセール
10月11日 フィリップス ロンドン デイセール
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立