海外アートマーケットNews Picks!!:2024年12月後半


明けましておめでとうございます。
昨年は海外アートマーケットはとても低調でした。アートフェアにも多数行きましたが、slowとかtoughといった言葉を多く聞きました。今年は少しずつですがビジネスが復調すればと祈っております。
私は(相変わらず)海外の主要アートフェアにも行きますが、国内アーティストの為の活動やデザインやワインについてなど新たな領域についてビジネスできればと考えております。 

引き続き海外のアートニュースの中から皆様に有用であろうと思われる記事をお伝えしていければ幸いです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

■海外アートニュース

アートフェア
ほとんどのアートフェアで開催されている「VIPデー」。主要なターゲットクライアント、アーティスト、業界関係者、評論家、有名人、およびその関係者のために予約されており、潜在的な購入者が展示されている作品を最初に見ることができるようになっており、アート界のネットワーキングに満ちた日でもある。記事では業界関係者の証言に基づき、VIPデーについてコレクターが知っておくべきことを紹介する。(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-collectors-art-fair-vip-days

サンフランシスコ
パンデミックが終結した後もオフィスビルの約37%が空きのままなど他都市と比べて活気がないと言われてきたサンフランシスコだが、アートシーンは活況を呈しているという。その内情をさぐる。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/san-francisco-art-scene-1234728151

オークション
2024年1月からCEO兼会長を務めてきたフィリップスのエド・ドールマン氏が退任することが発表された。副CEOに任命されていたアマンダ・ロ・イアコノ氏も退任する。ドールマンは2014年から2021年までCEOを務めており、今年初頭に再度CEOに復帰したばかりだった。後任には同社の最高弁護士マーティン・ウィルソン氏が就任する予定だ。(artnet)
https://news.artnet.com/market/ed-dolman-resign-phillips-2587246

今年のオークション業界は非常に低調だった。出品数と落札金額が7桁(100万ドル)、8桁(1,000 万ドル)の結果は前年に比べてはるかに少なく、これはロックフェラー、ポール・アレンなどの大ヒットした単独所有者のコレクションがなかったことが一因だと考えられる。また入手可能になったコレクションは予想額よりもはるかに低い価格になるなど、2024年の最初の6か月間オークションの売上は2023年の同時期と比較して30%も減少した。しかしそんな中でも際立った出来事がなかったわけではない。記事では100万ドルの果物からシュールレアリストのスターまで、アート界の注目を集めた5つの瞬間を紹介する。(artnet)
https://news.artnet.com/market/5-auction-moments-2024-2578292

不動産
パリの歴史的なル・コルビュジエ設計の住宅が520万ドル(約8億円)で売りに出されている。この家はパリ16区にある豪華な芸術家の居住区であるブローニュ=ビヤンクールにあり、ロシアの彫刻家オスカー・ミエスタニノフによって自宅兼スタジオとして依頼されたものだ。戦前のヨーロッパの歴史的な逸品がそのまま残っているのを見つけるのは非常に稀なことで、市場に出回るのはさらに稀。黄色の3階建ての自宅スタジオは1975年に歴史的建造物に指定されている。(Galerie Magazine)
https://galeriemagazine.com/le-corbusier-designed-paris-home-listing/

ランキング
2024年の最悪のアート: 見なければよかったのにと思う”傑作”9選をご紹介。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/worst-art-2024-2582521

2024年にアート界に影響を与えた主要なトレンドとアーティストをArtsyが紹介する。このレポートは、Artsyの業界をリードするプライマリー マーケット データを基に、2024年にコレクターが購入したものに関する独自の調査結果を提示しており、さまざまな地域やセグメントで商業的な関心が高まったアーティストや、アート市場全体の現状を示す大局的な調査結果を取り上げている。(Artsy)
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-artsy-market-recap-2024

コラボレーション
あなたの人生のクリエイティブな心を豊かにする、アーティストが監修したギフト10選。ディオール、ティファニー、ロエベ、オーデマ ピゲ、ルイ ヴィトンなどのユニークでクリエイティブなコラボレーションを中心に記事内で紹介する。(Galerie Magazine)
https://galeriemagazine.com/artist-inspired-gift-guide-for-art-lovers/

行政
ベルリン市政府は市の芸術文化予算を1億3000万ユーロ(約211億2,000万円)削減したため、施設が閉鎖に追い込まれる恐れがあり、ドイツの首都の芸術の中心地としての地位が危うくなるとの懸念が高まっている。この削減は芸術部門予算の12%を占め、市の2025年支出計画の一部であり、右派の議員であるベルリン市長カイ・ヴェグナーが強く擁護している。(Artforum)
https://www.artforum.com/news/berlin-slashes-arts-culture-budget-by-135-million-despite-protests-1234724772

2024振り返り
アート界には論争がつきものだが、2024年も依然として法的な論争・紛争にあふれていた。記事では今年フィードを賑わせた7つの主要な論争を紹介する。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/here-are-the-7-biggest-art-world-controversies-of-2024-2593252

2025年展覧会
官能的なシュールレアリズム、キーファーの喜び、ゲーリーのグッゲンハイムなど:2025年に訪れるべき最高のアートと建築の展覧会を全てご紹介。(The Guardian)
https://www.theguardian.com/artanddesign/2024/dec/26/sensual-surrealism-kiefers-delights-gehrys-guggenheim-the-best-art-and-architecture-shows-to-visit-in-2025


著者

大胡 玄 (おおご げん)

大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立