海外アートマーケットNews Picks!!:2025年2月前半
■海外アートニュース
海外アートニュース
美術館
ブルックリン美術館は創立200周年記念の真っ只中、1000万ドル(約15億1,400万円)に迫る予算赤字に直面していることから、従業員の10%を解雇する計画があると発表した。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/brooklyn-museum-layoffs-budget-deficit-2606781
大胆な拡張からデザインまで - 2025年に待望の7つの美術館オープン 印象的な新築から先見性のある改築まで、ニューヨークからカザフスタンまで、2025年にオープンする7つの美術館をご紹介。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/7-museum-openings-of-2025-2605275
展覧会
フィラデルフィア美術館で、黒人人物像へのさまざまなアプローチを探求する大ヒット展覧会 “The Time Is Always Now: Artists Reframe the Black Figure” が開催中だ。ノア・デイビスやケリー・ジェームズ・マーシャルなど28人の黒人およびアフリカ系ディアスポラ現代アーティストによる60点以上の作品がさまざまなスタイルとアプローチで展示されている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/artists/philadelphia-museum-of-art-the-time-is-always-now-exhibition-black-figuration-1234732028
行政
フランスの文化例外政策は長い間芸術部門を保護してきたが、緊縮財政の重圧に耐えかねて崩壊しつつある。フランソワ・バイルー首相は赤字の抑制に奮闘し、公共支出の大幅な削減を承認したが、最も大きな打撃を受けるのは美術館、文化施設、遺産などだ。地方議会は22億ユーロ(約3,442億円)の国庫補助金を剥奪され独自の芸術予算も削減しており、一部は70%も削減しているという。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/austerity-measures-france-arts-and-culture-1234732021
アメリカのトランプ大統領による関税政策が、すでに厳しいアート業界にとってさらに複雑な状況を生じさせる可能性が高い。専門家は関税により混乱と運営費が増加し、コレクターの購買行動が変化し、限られたリソースのために中小規模のギャラリーが最も打撃を受けると語った。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/trump-tariffs-art-basel-hong-kong-frieze-los-angeles-1234732376
経済
ギャラリー閉店のニュースはここしばらくアート業界の定番となっており、JTT、Queer Thoughts、David Lewisなど多くのギャラリーがここ数年で閉店している。しかしこれらのスペースが消えるにつれて、新しいギャラリーがその役割を引き継いでいるようだ。コロナ禍が始まって以来、さまざまな小さなギャラリーがニューヨークのダウンタウンにオープンしており、最近は守りに入っていたような街にようやく実験精神が戻り始めたように感じることができる。(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/reviews/small-galleries-return-new-york-smilers-1234731326
アートフェア
4月24日から27日までEXPO CHICAGOが開催される、2025年の出展者を発表した。韓国のギャラリー20社が初参加の予定で、フリーズと韓国ギャラリー協会(Gaok)の新しい提携を反映している。36か国、93都市から170以上のギャラリーが参加するこのフェアは、2023年7月にEXPO CHICAGOを買収したフリーズが主催する2回目のフェアとなる。(Artforum)
https://www.artforum.com/news/expo-chicago-reveals-2025-exhibitors-announces-partnership-with-galleries-association-korea-1234726698
アート バーゼルは、スイスのバーゼルで6月19日から22日まで開催されるメインフェアに参加する291のギャラリーを発表した(プレビューは6月17、18日)。ガゴシアン、ハウザー&ワースなどのメガギャラリーに加え、Arcadia Missa(ロンドン)とFrançois Ghebaly(LAとNY)の2つのギャラリーがバーゼル初出展となる。また今年のフェアでは、過去5年間に制作された超現代アートに焦点を当てた新セクションも導入される予定だ。(ARTnews)https://www.artnews.com/art-news/market/art-basel-switzerland-2025-exhibitor-list-1234732345
潮流
アート業界世界最大のオンラインプラットフォームであるArtsyが、2月1日から “Black-Owned Galleries Now” と題した独占オンラインショーケースを発表する。黒人歴史月間に開始されるこの特別な取り組では、サチェル・リーなどの新進気鋭の才能からデイヴィッド・ドリスケルやザネレ・ムホリなどの有名アーティストまで、黒人アーティストによるアート作品が50を超える黒人所有のギャラリーによって選ばれ発表される。作品の価格は250ドル(約3万7,000円)から20,000ドル(約303万円)以上になるという。(Art Plugged)
https://artplugged.co.uk/artsy-black-owned-galleries-now-black-history-month/
オークション
ファッションデザイナーでありアートコレクターのヴィクトリア・ベッカムが、ロンドンのドーバーストリートにある店舗で現代美術の傑作を展示する。ヴィクトリアはサザビーズと提携し、フランシス・ベーコン、キース・ヘリング、奈良美智、ジャン=ミシェル・バスキア、ジョアン・ミッチェル、ゲルハルト・リヒター、イヴ・クライン、ジョージ・コンドの作品を含む11点の作品を設置する。作品は2月6日から10日まで展示され、その後ロンドンとニューヨークで開催されるサザビーズの現代美術オークションに出品される予定だ。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/victoria-beckham-dover-street-store-sothebys-2606221
ロサンゼルス
フリーズ・ロサンゼルスの期間中、クリスティーズはビバリーヒルズ支店で、フランスの億万長者実業家 フランソワ・ピノーの所有するアートの展示会を開催する。 ”Eye Contact” と題されたこの展示会には、マルレーヌ・デュマ、リン・フォークス、トーマス・ハウスアゴ、ウィリアム・ポープ・L、ジム・ショー、シンディ・シャーマン、リュック・タイマンス、リネット・イアドム・ボアキエの8人のアーティストによる様々な肖像画が含まれる。クリスティーズによると販売される作品はないという。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/christies-owner-francois-pinault-los-angeles-show-2595376
アワード
1月初旬に開催された装飾界のデザインイベントParis Déco Offのグランドフィナーレとして発表された、建築、デザイン、写真、ジャーナリズムの創造性、革新性、卓越性を称えるCréateurs Design Awardsで、ノーマン・フォスター、SANAA、そしてデザイン界の多くの著名人が表彰された。(Galerie Magazine)
https://galeriemagazine.com/createurs-design-awards-winners-2025/
■海外アートフェア
Frieze ロサンゼルス 2月20日(招待者のみ)21日 ー 23日(一般公開)
https://www.frieze.com/fairs/frieze-los-angeles/visitor-information
Art Basel 香港 3月26、27日(招待者のみ) 3月28日 ー 30日(一般公開)
https://www.artbasel.com/hong-kong/at-the-show
著者
大胡 玄 (おおご げん)
大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立