【 タグコレ企画 】現代アートとのおしゃべりツアー @ 国立新美術館「 田名網敬一 記憶の冒険 」(10/28)

国立新美術館にて開催されている田名網 敬一さんの初の大規模個展「記憶の冒険」へと出かけませんか?

現代アートとのおしゃべりを楽しむ企画として、国立新美術館にて現在開催中の「田名網敬一  記憶の冒険」展を、みなさんと鑑賞するツアーを開催いたします。本展覧会には当コレクションからもコラージュ、平面、立体作品の13点を貸し出しております。

本ツアーは、それぞれみなさんにとっても忘れられない記憶の断片などをお聞きしながら、対話を通じた作品鑑賞を楽しむだけでなく、企画担当研究員の方より展覧会概要についてのガイダンス、そして当コレクションと田名網敬一さんとのちょっとしたエピソードもお聞きできるツアーとなります。是非、田名網敬一さんの記憶の冒険へと、ともに出かけましょう…!

日 時: 2024年10月28日(月)10:20 〜 12:00(※ 受付 10:10 〜 )
会 場:国立新美術館 / 3F 研修室 B
アクセス:「乃木坂」改札6出口(美術館直結) / 「六本木駅」徒歩約5分
参加費:無料 ※ 参加には別途、鑑賞チケットをご購入ください
※ 事前に本展の観覧券をご購入の上、3F 研修室B へとお越しください。
募 集:定員20名(小学生以上)
申 込:peatixから申込(https://peatix.com/event/4120489
    ※定員に達し次第募集終了 
内 容:
・みなさんの「記憶」を巡る対話
・企画担当学芸員の方よりガイダンス
・対話による作品鑑賞 2作品 (当コレクションより)
・当コレクションからの出展作品について(田口 美和)

※ 当イベントは、タグチアートコレクション企画によるものです。
お問い合わせにつきましては下記メールよりお問い合わせくださいませ。
お問い合わせ:小田川悠、田辺梨絵(タグチアートコレクション 教育普及活動担当)
       artsplus.office@gmail.com

対象展覧会:「田名網 敬一 記憶の冒険」
2024年8月 7日(水) ~ 2024年11月11日(月)
国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
チケット:2,000円(一般)/ 1,400円(大学生)/ 1,000円(高校生)
https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami

©Keiichi Tanaami / Courtesy of the artist and NANZUKA タグチアートコレクション / タグチ現代芸術基金蔵

【 展覧会概要 】
 国際的に高い評価を得る日本人アーティスト、田名網敬一 (1936‐) の初となる大規模回顧展です。 田名網は幼少期に経験した戦争の記憶とその後に触れたアメリカ大衆文化からの影響が色濃く反映 された、色彩鮮やかな作品で知られています。本展は当時の資料を含めて田名網が手掛けた膨大な 作品を紹介することで、これまで包括的に捉えられることがなかった、その 60 年以上におよぶ活 動を「記憶」というテーマのもとに改めて紐解こうとするものです。

 田名網は武蔵野美術大学デザイン科に入学後、篠原有司男、赤瀬川原平、荒川修作らと出会い、 彼らの活動に最前線で触れながら、1957 年に日本宣伝美術会主催の日宣美展で特選を受賞します。 在学中からデザイナーとして仕事を依頼されるようになり、卒業後は博報堂に入社。2 年ほどで退 職した後は画廊での展示に固執せず、1966 年にはアーティストとしての出発点ともいえる作品集『田 名網敬一の肖像』を出版します。アンディ・ウォーホルの美術やデザインといったひとつのメディ アに限定しない制作方法に大きな刺激を受け、自らを「イメージディレクター」と名乗るようになり ます。その後、 シルクスクリーンによるポスター(①)、コラージュやアニメーション、イラストレー ションや絵画などの作品を精力的に手掛けるようになっていきました(②,③)。

①《NO MORE WAR》1967 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA Collection of Taguchi Art Collection
②《Wonder Woman》1967
©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA
③《Gold Fish》1975 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA

 1960 年代後半からは音楽や映画、文芸に係る多くの雑誌のエディトリアルデザインを行い、 1975 年には日本版『PLAYBOY』の初代アートディレクターに就任。この頃、並行して実験映像も 制作し、映像作家・松本俊夫と上映会を開催するなど表現の幅を着実に広げていきます。
1980 年代は中国への旅行と 1981 年に経験した約4か月にわたる入院中に見た幻覚をきっかけに して、東洋的な楽園や奇想の迷宮を思わせるようなイメージを描くようになりました(④,⑤,⑥)。 1991 年には京都造形芸術大学の教授にも就任し、後進の育成にも携わるようになります。

④《フレデリック・ロイス―臓器の劇場》1987 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA
⑤《回廊》1986 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA
⑥《昇天する家》1987 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA

 2000 年頃からはこれまで田名網自身の作品に現れていた様々なモチーフが再び組み合わされるこ とで、より複雑でダイナミックなイメージが展開されています。田名網にとって作品制作 とは過去の記憶を辿っていく作業であり、記憶が自身のなかで無意識のうちに変化していく様子を 捉えようとする行為でもあるのです。

 88 歳となった今も旺盛な創作活動を続ける田名網の存在は、世代や国を超えたアーティスト、そ してデザイナーたちを魅了し続けており、コラボレーションを求める声は後を絶ちません。これは 60 年以上にわたる活動のなかで、田名網自身が常に自らの表現方法を刷新し続けてきた稀有な感性 を持ったアーティストであるからだといえるでしょう。また近年、田名網は海外文化を独自に受容 した戦後日本の作家としても世界的に評価が進み、ニューヨーク近代美術館(アメリカ)、ウォー カー・アート・センター(アメリカ)、シカゴ美術館(アメリカ)、M+(香港)、ハンブルガー・バー ンホフ(ドイツ)にも作品が所蔵されています。

 本展は多方面から注目が集まる田名網が現在まで探究を続けている、虚実が入り混じった記憶の コラージュのような作品世界を存分に体感していただける待望の機会となるでしょう。

「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館 2024 年 展示風景 撮影:山本倫子
©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA

田名網 敬一 ( たなあみ けいいち )
1936 年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、実験映像及びアニメーション作家、アーティストなど、そのジャンルを横断した類まれな創作活動により、他の追随を許さない地位を築いている。近年の田名網の主要な展覧会として、「パラヴェンティ: 田名網 敬一」(プラダ青山店、東京、2023 年)、「マンハッタン・ユニヴァース」(ヴィーナス・オーヴァー・マンハッタン、ニューヨーク、2022 年)、「世界を映す鏡」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2022 年)、「Keiichi Tanaami」(ルツェルン美術館、スイス、2019 年)、「Keiichi Tanaami」(ジェフリー・ダイチ、ニューヨーク、2019 年)。また、グループ展としてポップアートの大回顧展「インターナショナル・ポップ」(ウォーカー・アート・センター、ダラス美術館、フィラデルフィア美術館、アメリカ、2015-2016 年)、「世界はポップになる」(テート・モダン、ロンドン、2015 年) などがある。パブリックコレクションに、ニューヨーク近代美術館(アメリカ)、ウォーカー・アート・センター(アメリカ)、シカゴ美術館(アメリカ)、M+(香港)、ナショナル・ポートレート・ギャラリー(アメリカ)、ハンブルガー・バーンホフ(ドイツ) など多数。

NANZUKA
https://nanzuka.com/ja/artists/keiichi_tanaami