Jonathan Pylypchuk | ジョナサン・プラプチャック

1972年カナダ、ウィニペグ生まれ
現在アメリカ、ロサンゼルスを拠点に活動

ジョナサン・プラプチャックは、1972年カナダ、ウィニペグに生まれ、1997年カナダのマニトバ大学卒業後、アメリカに渡り、2001年UCLAカリフォルニア大学修了、現在ロサンゼルスを拠点に制作している。
プラプチャックは絵画とドローイング、そして彫刻を制作するアーティストで、その内、絵画作品には巨大で迫力ある画面構成のされているものが多い。そこに、織物や壁紙、板あるいは、ラメの入った接着剤など、様々な素材を組み合わせている。しかしその素材には廃材や色あせた毛織物、つやを失ったフェイクファーなど身の回りで打ち捨てられていたかのようなものが貼付けられているようにも見える。彼の作品には、そうした素材で出来たキャラクターが登場するが、彼らは愛嬌をそなえているものの、どこか憂いを帯びており、アニメに登場するハッピーなキャラクターとはほど遠い。その口元から帯状の小さな紙が貼付けられ、吹き出しになっており、詩的でメランコリックな言葉が書かれている。力強い画面構成に不似合いなぞんざいな素材の利用法は、キャラクターの持つはかなげな雰囲気と、寂しげなメッセージを際立たせている。
彼の立体作品も同様の雰囲気をもっており、木の枝や木っ端で組み立てられてキャラクターの体を形作っているものが多く、既存のものを組み立てて立体作品を作るアッサンブラージュとしても、もろさ、弱々しさが際立っていて、憂いがあっても憎めない愛嬌を感じさせる。(岐阜県美術館 学芸員 西山恒彦、Gifu)

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Jonathan Pylypchuk | ジョナサン・プラプチャック