Photo : Attilio Maranzano / Courtesy Maurizio Cattelan's Archive and Galerie Emmanuel Perrotin

Maurizio Cattelan | マウリツィオ・カテラン
Untitled
無題
2001
59.7 x 85.4 x 47.3 cm
Stainless steel, wood, electric motor, light, bell and computers

マウリツィオ・カテランは、マンガ制作や家具デザインなどの職を経て、1990年頃からアーティストとしての活動を開始しました。それ以来、生きたロバや鳩を展示室に放ったり、バナナをテープで壁に貼りつけたり、広告代理店に展示スペースを売却したり、幅広い作品を制作しています。

本作品では、日常生活でありふれたエレベーターがミニチュアサイズで精巧に作られています。普段見ているエレベーターとそっくりでありながらサイズが全く異なることに、違和感や居心地の悪さを覚える人もいることでしょう。あるいは、人間にとっては「アート作品」だけれども、小動物や人形サイズの人間にとっては「日用品」なのではないかと考え始めると、「アート作品」とは何なのかわからなくなってくるかもしれません。

カテランの作品が持つ「普通」「日常」との少しのズレは、鑑賞者に「日常」とは異なる「日常」の可能性を問いかけてきます。おもちゃを連想させるかわいらしさ、「チン!」となる音の楽しさ、そのような軽やかないたずら心に誘われて、鑑賞者は異なる可能性へと足を踏み入れてしまうのです。

(解説:井ノ上 薫 / 翻訳:辻 愛麻)