©João Maria Gusmão & Pedro Paiva, Photo by Eduardo Ortega, Courtesy Fortes D'Aloia & Gabriel

João Maria Gusmão & Pedro Paiva | ジョアン・マリア・グスマン&ペドロ・パイヴァ
Ping Pong
ピンポン
2013
59.7 x 85.4 x 44.0 cm
Bronze

目の前の彫刻をみて、あなたは何を思うでしょうか。
ブロンズ製のこの「銅像」は、その特性によって数百年にわたって存在することができます。しかし、この作品が表している「こと」は別の時間を内包しています。タイトルからわかる通り、これはピンポン球が弾んでいる様子であり、つまりゼロコンマ何秒かの「運動時間」が彫刻化されているのです。

また、私たちはこのような「運動」の可視化がかつて写真によってなされたことも知っています。ギャロップする馬の足が地面に着いているか離れているか、それがわかったのは連続写真によってでした。したがってこの作品は写真の彫刻であると言えるかもしれません。
あるいはこうも考えられるでしょうか。これは軌道そのものを彫刻にしたのだと。軌道は放物線を描いています。本来それは目に見えません。目に見えないけれども、絶えず作用している。物理法則上当たり前のことであり、この当たり前は普遍的であり不変的です。それこそがこの作品の中心かもしれません。

このように考えを巡らせると、いろいろな対比や類比がこの作品から引き出すことができそうです。重さや軽さ、色や質感、時間の変化や空間の変容について。一見すると単純でユーモラスな作品ですが、ジョアン・マリア・グスマン&ペドロ・パイヴァの作品はこうした豊かな思考に私たちを促してくれるものです。

(解説:遠藤 水城 一般社団法人HAPS 代表理事 / 翻訳:辻 愛麻)