Courtesy the artist and Foksal Gallery Foundation, Warsaw

Wilhelm Sasnal | ウィルヘルム・サスナル
Untitled
無題
2016
55.0 x 70.0 cm
oil on canvas

ウェルヘルム・サスナル(b.1972-)は、絵画を中心に写真、映像を用いて作品を制作するアーティストです。サスナルがモチーフとするのは、テレビやインターネット、広告などマスメディアの画像、歴史的なアーカイブスなどわれわれを取り巻く大量の画像、そして彼の私生活をキャプチャしたスナップショットなど多岐にわたります。しかしサスナルの作品群を通してみたときに立ち現れるのは、離散的でまとまりのない膨大なイメージにさらされているといった感覚ではなく、サスナルが紡ぎあげる一つの物語を読んでいるように感じられるます。「視覚要素の裏には必ず物語がある」と作家が語っていることからも、サスナルは制作をとおして、わたしたちを取り巻く現代社会のイメージの飽和した状況をを別の仕方で読み替えることを試みているようです。

本作は、自転車にまたがった人から見える自らの人影と自転車の前輪、ブレーキにつながるワイヤーがえがかれています。自転車はサスナルの作品にたびたび描かれるモチーフであり、彼自身がマウンテンバイクを趣味としていることからも、日常的な景色をキャプチャしたと推察できます。本作には具象性と抽象性が混在しているようです。これは画面構成や色味、曲線の描き方など、サスナルの作品を通して見られる特徴です。

(解説:隅本 晋太朗 / 翻訳:辻 愛麻)