©Yasumasa Morimura, courtesy of MEM

Yasumasa Morimura | 森村 泰昌
卓上の都市・凱旋門
1984 (printed in 2017)
20.2 x 13.5 cm
gelatin silver print

森村泰昌は1980年代以降、セルフポートレイトを主題とした絵画、写真、映像作品の制作を 行ってきました。森村の実践は日本と西洋の視覚芸術の歴史における古典的なイメージの中に自分自身を差込み、作品の背景などを細かく再現することでパロディを制作してゆくものです。その実践から森村は、既存の美術史の紡がれ方に挑むとともに、視るものにアイデンティティ・ポリティクスの議論を喚起しています。

「卓上の都市・凱旋門」は、Barco negro na mesa(1983〜1984)と呼ばれる初期のシリーズに含まれる作品です。 森村は、学生時代に家具や食器などの日常生活に密着した室内の静物の撮影を学んだことから、画面の「構図」自体が重要な役割をもつ、モダニズム的作風を生み出しました。

「卓上の都市・凱旋門」では、フォーク、グラス、電球が同列となり、一つの彫刻を作り上げています。シンプルな背景とテーブルが見切られていることにより、主題となるイメージが抽象化され、タイトル通り、すなわち「卓上の都市・凱旋門」の風景が写出されているのです。

(解説:張 洋宇 / 翻訳:加藤 杏奈)