Courtesy the artist and Lehmann Maupin, New York, Hong Kong, and Seoul.

Erwin Wurm | アーウィン・ワーム
Head TV
2016
47.0 x 170.0 x 30.5 cm
instruction drawing, Danish cabinet and realized by public

オーストリア出身のアーウィン・ワームは、身の回りの日用品を用いたユーモアあふれる表現で知られ、1997年からは鑑賞者に不自然なポーズを強いる参加型の彫刻作品《ワン・ミニッツ・スカルプチャー》シリーズを制作しています。

ワームの簡潔な説明文とイラストによるインストラクションからなる同シリーズの一つである本作は、「戸棚の穴に首を突っ込んで頭を低くする」という指示に鑑賞者が従うことではじめて作品として成立します。また彼は使用する対象のもともとの機能を奪うことで、それらを役立たずなモノへと変化させます。

このようにワームは鑑賞者の身体をおかしな状況へと誘い込むことで、普段何気なく差別化している機能性と無用性の境界を曖昧にすると同時に、私たちがアートを鑑賞するという行為それ自体についても疑問を投げかけます。それはモノの持つ機能を無効化するという行為を通しての、機能の無いモノに価値が付与される「アート」への問いかけであるとも言えるでしょう。

彼はパレ・ド・トーキョーでの個展やヴェニス・ビエンナーレでの展示など、国際的な展覧会へも多数参加しています。

(解説 & 翻訳:岩田 智哉)