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Naofumi Maruyama | 丸山 直文
リバー 1
2003
130.0 x 162.0 cm
acrylic on cotton

本作は、いきいきとした木々の色彩が印象的で、鏡のような水面に写った緑の中に小舟が一隻、ふたりを乗せて浮いています。

1967年新潟県で生まれ、元々ファッションの道に進んでいた丸山は、服を制作するのに使用していた布をキャンバスがわりにしてみたことをきっかけに、キャンバスや綿布を水に浸し、アクリル絵の具を滲ませて描くステイニングという技法で制作を始めました。

はっきりとした輪郭や色、形ではなく滲みによって描かれている丸山の作品は、特定の場所や一つの決まったイメージを想像させません。見る人の数だけ違うイメージが存在し、絵や写真などではなく、私たちの中に眠っている体験や記憶そのものに語りかけてきます。見たことがあるようでないような、わかるようでわからない。滲みやぼかしが引き寄せた、偶然が重なって描かれた風景は、場所や時間が曖昧でありながらも私たちの記憶に寄り添ってくれるのではないでしょうか。

(解説:千田 マミ / 翻訳:梶田 唯)