Views of Hotel Well III
David Hockney | デイヴィッド・ホックニー
Views of Hotel Well III
ホテルの井戸の眺めIII
1985
ed.60/80
117.7 x 89.0 cm
color lithograph
タイトルからもわかるように、この作品は、メキシコシティのロマノアンヘレスというホテルの庭にある井戸の様子を描いたものです。中央が私たちの眼前にせり出すように描かれていて、遠近法を用いた西洋絵画に慣れきった私たちの目には奇怪に映ることでしょう。複数の角度からベランダを捉え、それをつなぎ合わせて描いたため、このような不思議な画面構成となりました。
この絵を描いたデイヴィッド・ホックニーは、1937年イギリス・ブラッドフォードに生まれました。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート在学中にポップ・アートの旗手ピーター・ブレイクらと「若手現代芸術家展("Young Contemporaries")」に出展し、その後ポップ・アート運動に参画しました。
彼は現在はロンドン拠点ですが、1976年から長い間ロサンゼルスを拠点に活動していたことでも知られています。スイミングプールに水しぶきが飛び散る一瞬間を描いた代表作《とても大きな水しぶき(A Bigger Splash)》(1967年)は、アメリカ西海岸の爽やかでリラックスした雰囲気が表現されています。
(解説 & 翻訳:原田 美緒)