開催レポ【ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション」展 】金氏 徹平 ワークショップ「コラージュ holes and buildings」(8/15)
「ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション」展、夏休みアートワークショップの第四弾!として、8月15日に金氏徹平さんによるコラージュワークショップを、秋田県立美術館レクチャールームにて開催いたしました。

「僕の作品は基本的にコラージュといって、一から何かを作るというよりも、すでに身の周りにあるものや、ものだけじゃなくてイメージを集めて、切り抜いて、組み合わせを変えて、そういうことから作品を作っています。1番大事なのは、世界の見方、身の回りの見方を変えること、新しい見方を提案したり、発見すること。」と、お話しする金氏さん。
新しい見方を発見する、最初のステップ「切り抜く」ところからワークショップはスタート!


「僕の作品の最初のプロセスとして、切り抜くということが重要で、すでにあるものが、どこかから切り抜かれていくことで、どこにでも行けるようになる。あるものを別の場所へ移動すると、自由になって違う場所へ行けます。」
それぞれお持ち頂いた色々な空き箱に、まずは金氏さんにご用意いただいたステッカーを切って貼っていくのですが、このステッカーとなっているそれぞれ印刷されたイメージは、実は…


ミネバネ展示期間中「どごだべ? まちなかアート探し!」として、秋田市内10箇所に点在させていた作品と同じイメージのステッカーでもあるのです!切り抜かれたイメージは、街中の色々な場所へも移動できちゃうわけなんですね。


作品と同じイメージを使えるだけでなく、それぞれ思い思いに考えて撮影して自分だけのオリジナル”holes and buildings”ステッカーも制作できる今回のワークショップ。撮影時に必要なグッズ達も、金氏さんがご用意いただいたもの。硬めの紐や食品サンプルのロールパン、ベタベタするスライムや、よく分からないこん棒のおもちゃ?まで。このテーブルに広げられたグッズを眺めているだけでも、金氏徹平さんの世界観を感じられます。

撮影の順番が回ってくると、暗幕を背景に、穴の開いた板から手をだして、どんな風に写っているのか試しながら撮影!そして、その場で印刷したものを、またくり抜いて、貼る。



実際に体験してみると、とてもアナログかつシンプルな制作なのですが、そこには金氏さんのこんな想いがあります。
「構造が気になるのはとても良いこと。どうやってるんだろう?って思わせた方が良いと僕は思っていて、ブラックボックスみたいになんかすごいけど、全然わからないことやってるんだろうなって思うよりは、なにやっているのかが分かるのが良い。その上で、想像が掻き立てられる状況が1番いいなと思っています。」

ビーフコンソメスープの箱に、フランスパンを持った手のコラージュ…!みなさん、持ってきた箱の個性も活かしながら、まさしく、切り取られることで自由になった景色から、思いもよらない偶然性を生む作品となっていました。


「縦も横も上も下も無くなるっていうか、そういう感じは、だいぶ先をいかれたなって、僕はショックを受けています(笑) いっぱい穴を開けて、重力を統一させると現実の世界につながる。こういう感覚は僕にすごく近いですね。そういうことを僕もいつも意識してやっています。」

「作ったあとに街中に出ると、建物などの見え方が変わってきて、ビルに開いている穴をつい探してしまうとか、見ているとなんか出てきそうみたいな、手が届かない場所でも、想像をしてそこに近づくことができるようになる。今日やったあとに、どんな風に見えてくるか、やってみるといいかなと思います。」


当日の様子は、こちらの動画でもご覧いただけます。
夏休みアートワークショップ | 「ミネバネ!」展(秋田県立美術館/秋田市立千秋美術館)関連イベント
教育普及研究員 小田川 悠
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展覧会「ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション」
日時:2025年8月15日(金)10:30〜12:00
会場:秋田県立美術館/レクチャールーム
対象:小学生以上
参加費:500円(材料費)
参加人数:7名
担当:小田川 悠(タグチアートコレクション 教育普及研究)


