網膜 / 境界景 7

©︎Shinro Ohtake Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo Photo: Kei Okano

Shinro Ohtake | 大竹 伸朗
網膜 / 境界景 7
1990-2015
230.5 x 170.5 x 10.5 cm
Resin on laminated chromogenic analog print mounted on wooden panel
Unique

大竹伸朗は日本を代表する現代アーティストの一人で、絵画や版画、コラージュ、立体作品や写真などといった多岐にわたる表現手法での制作を行っています。またアートのみならず、デザインや音楽活動、文筆活動など幅広い分野における活躍でも知られています。

本作は、1980年代末から始まった〈網膜〉シリーズの作品の一つで、撮影に失敗したポラロイド写真フィルムから着想を得ています。写真にプラスチック樹脂を塗り込めて透明なマチエールを持たせることで、まぶたを閉じて光を浴びたときのような、不定形で曖昧な世界が表現されています。また樹脂が角膜、写真が網膜の役割を果たしており、光を蓄積する印画紙としての画面およびそれを捉えるレンズ、というカメラの構造と視覚構造の重なりが表現されています。

(解説 & 翻訳:岩田 智哉)