開催レポ 宮崎公立大学共催【MIYAZAKI meets タグコレ 現代アートってなんだろう関連企画】「親子で楽しむ 現代アートとのおしゃべり!」(8/16)

「MIYAZAKI meets タグコレ 現代アートってなんだろう」展の関連企画として、宮崎公立大学さんと共催により、夏休み特別企画「親子で楽しむ 現代アートとのおしゃべり!」を、8月16日に開催しました。

宮崎公立大学さんは、都市型大学として宮崎市の中心部から、外国語及び情報の高度な運用能力、そして広い教養と深い専門性を培うリベラルアーツ教育をモットーに、「知」の発信・優秀な人材の輩出に取り組んでいる国際色豊かな学科のある大学です。また、地域貢献を充実・強化するための拠点として、地域へと開かれた各種講座を積極的に開催されており、県立美術館とは徒歩15分ほどと同じ船塚エリアにあります。しかしながら、美術を専門とする学科がないこともあり、これまで双方が関わる機会を持てずにおられたそうです。
世界各国、さまざまなアーティストの作品を通じて見えてくるグローバルな視点を味わえるのも、タグコレ展の特色の1つ。だからこそ世界中を巡るようにして現代アートを楽しんで頂ける良き機会となればと、親子で楽しめるおしゃべり鑑賞会、そして、宮崎公立大学さんとの共催という点で、人文学部准教授の茶園梨加先生にご協力を頂き、クロストークの開催が実現いたしました。
第一部 おしゃべり美術館ツアー


第一部は、スタッフといっしょに親子で作品を見て、感じたことを自由におしゃべりしながら、現代アートの楽しみ方を体験できる「おしゃべり美術館ツアー」です。
参加者の多くのみなさんは、現代アートは初体験とのこと。今回のツアーではタグコレがおすすめする3作品を厳選。3作品の中でどの作品が気になるか、親子でお話してから展示室へ向かいました。

まず1つ目のおすすめは、フランス出身ローラ・プロヴォストの《Metal Woman - Smoking》(2015)。映り変わるモニターの顔と、わずかな胸とおしりが付いた金属パイプの胴体でできた女の人が、ぶつぶつと何かをつぶやいています。さて、この人は一体どんな人?何をしているんだろう?
「リラックスしているポーズに見える!」
「退屈しているのかな」「手にタバコを持っているよ」
「テレビを見ていて、見ているものがモニターの顔に映っているのかも」
「スマホを見過ぎたから、こんな体になっちゃった!?」
と、展示室エントランスで待ち構えていたちょっと不思議な彫刻を前に、発見したこと・想像したことを自由におしゃべりしてくれました。

続く2つ目のおすすめは、過去の多くのタグコレ展のポスターともなっている奈良美智の《Cosmic》(2007)。アーティストのアトリエをイメージした小部屋に進むと、きらきらとした大きな瞳を持つ少女がこちらを見つめていました。
「色がとてもきれい」「今にも泣きそうな目をしている」
「何かを言いたいけど言えない、そんな目と口に見える」
「きらきらとした目は、希望とか未来を見ている」「緊張しているのかな?」
など、作品に引き込まれるように、ここではみんなでじっくりと対話することができました。

3つ目のおすすめは、オーストリア出身エルヴィン・ヴルムの《Head TV》(2017) 。鑑賞者が自ら頭を入れて完成する参加型の「One minute sculptures」シリーズ作品の1つです。
「なんだかちょっとはずかしい」
「声が響きますね」「こんな家具の使い方があるなんて!」
と、子どもも大人も頭を入れる時にはちょっとドキドキ!笑い合いながらいっしょに体験しました。


スタッフの問いかけに真っ先に手を挙げておしゃべりしてくれる子、恥ずかしいからみんなの前では話さないけれど保護者の方とおしゃべりする子、親子で話してからそれをみんなに教えてくれる子など、参加の仕方は様々です。おしゃべりツアーという「場」の中で、「仲間」がいるからこそ「自分もおしゃべりしてみようかな」と思える、そんな空気が生まれていたように感じます。
第二部 作品紹介/クロストーク「文藝とアートの 答えのない、あいまいな地平」

第二部は、第一部の「おしゃべり美術館ツアー」で鑑賞した3作品の紹介と、タグチアートコレクション共同代表の田口美和、宮崎公立大学人文学部准教授の茶園梨加先生によるクロストークを行いました。

クロストークのテーマが「あいまいさ」となったのは、田口が、茶園先生が毎年行っている「芥川賞展望対談」の作品批評を読んだ際、
「全体的に人物が立体的に書かれていない印象」
「緻密な描写で密度のある文章が読み応えにつながっているが、少し語りすぎている印象を持ってしまった」
など、アート鑑賞の際に抱くような見解が、アートと通ずる表現で語られていると気づいたことが発端です。アートと文藝という異なる領域でありながらも、「あいまいで答えがないものを捉えていく行為」には共通点があるのではないか…?アートと文藝のあいまいさとは何か?それぞれが考える「あいまいさ」を提示し、二つの共通点や違いを見つけながら、あいまいさとの向き合い方や効用などについてざっくばらんに語り合いました。


「今回の展覧会で展示されている現代アートと昨今の文藝作品におけるテーマの重なり(例えば「人間と機械・AIなど現代における労働」「女性を/女性が描く当事者性」「災害をどう描くか」など)とその表現方法」といったトピックスの他、「作品の強度とは何か」、「文藝・アート・建築の関係性」など、クロストークはテーマを自由に越境し発展していきました。
参加者の方々からは「もっと聞きたかった」と名残惜しむ声もいただきました。

異分野のクロストークは私たちにとっても、茶園先生にとっても初めての試みとなりましたが、来場者の方々の様子を見ていても、アートに興味がある方と文藝に興味がある方ではうなずくポイントが異なっていたことがとても印象的でした。両者にとって新しい発見があった時間だったのではないでしょうか。
これからも、現代アートに限らず宮崎県立美術館で開催される展覧会を通じて、宮崎公立大学さんをはじめ地域のみなさんとの協働の中で豊かな出会いや化学反応を起きる取り組みが実現していくことを願っております。
当企画にご協力・ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
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「MIYAZAKI meets タグコレ 現代アートってなんだろう」展
夏休み特別企画「親子で楽しむ 現代アートとのおしゃべり!」
日時:2026年8月16日(日)13:30 - 15:30
会場:宮崎県立美術館/1階アートホール、展示室
対象:第一部/小学生3年~大学生・専門学校生 ならびにその保護者
第二部/一般
参加費:無料
参加人数:第一部:13組 26名
第二部:39名
担当:小田川 悠 (タグチアートコレクション 教育普及研究)
田辺 梨絵 (タグチアートコレクション 教育普及研究)
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MIYAZAKI meets タグコレ 現代アートってなんだろう
2026年7月11日(土) − 8月30日(日)
開館時間:午前10時から午後6時まで(展示室への入室は午後5時30分まで)
休館日:毎週月曜日(7月20日、8月10日は開館)、7月21日(火)
会場:宮崎県立美術館 2階企画展示室及びアートフォーラム


