海外アートマーケットNews Picks!!:2023年11月後半

■海外アートニュース

NYのオークションウィークでの勝ち組は誰か?秋セールから得た9つのポイントをご紹介。 イブニングオークションの売上高は合計18億4000万ドル(約2,700億円)で、予想の最高額である20億ドル(約3,000億円)を下回り、昨秋に記録した売上高26億ドル(約3,900億円)からは32パーセント減少した。(artnet)
https://news.artnet.com/market/who-won-auction-week-new-york-november-2023-2388755

2027年に開催が予定されているドクメンタ16の芸術監督選考委員会メンバーのうち、ブラハ・リヒテンベルグ・エッティンガー氏とランジット・ホスコテ氏の2人がイスラエルとハマス紛争に関連する様々な理由で辞任したことを受け、残りの4人も相次ぎ辞任、総辞職となった。この衝撃的な動きは、言論の自由として何が保護されるべきかをめぐってドイツ文化圏でより広範な混乱が広がる中で起こった。(artnet)
https://news.artnet.com/news/documenta-search-committee-resigns-2395778

スミソニアン博物館のハーシュホーン博物館が、2023年の収蔵品を発表。来年創立50周年を迎えるハーシュホーン博物館と彫刻庭園は、45人の芸術家による80点以上の近現代作品を収蔵している。ハーシュホーンのコレクションに加わる予定の著名人の中には、ロバート・アーウィン、ナム・ジュン・パイク、ダウード・ベイ、ディンガ・マッキャノン、パシータ・アバド、ワンゲキ・ムトゥのほか、セイヤー・ゴメス、ディアニ・ホワイト・ホーク、フローラ・ユークノビッチなどの新進気鋭の才能も含まれる。(ARTnews)
https://www.artnews.com/gallery/art-news/photos/the-smithsonian-hirshhorn-museum-acquisitions-1234687540/

サンフランシスコ近代美術館(SFMoMA)は、2019年からの来館者数が35パーセント減少したことを理由に職員20名のポストを削減した。パンデミック前の入場者数に回復しないこと、コストの上昇、救済基金の今後の枯渇が財政を圧迫しており、予算、運営、プログラムの評価が必要となったためとしている。同博物館は入場料も20%値上げしたばかり。(artnet)
https://news.artnet.com/news/sfmoma-layoffs-2394660

切手や大規模な公共の彫刻に登場する象徴的なLOVE アートワークでよく知られロバート・インディアナのカタログ・レゾネがオンライン(robertindiana.com)で無料で入手可能になった。このプロジェクトは1988年にギャラリストとしてインディアナと働き始めたサイモン・サラマ-カロ氏が主導しており、新しい情報が入手可能になると継続的に更新される。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/robert-indiana-catalogue-raisonne-2394015

伝説的なドイツのファッション写真家ヘルムート・ニュートンの展覧会がスペインで開幕した。この展覧会はイギリスのオークションハウスのベテラン、フィリップ・ガーナー、ヘルムート・ニュートン財団のキュレーターであるマティアス・ハーダー、そして英国の写真ギャラリー「ハミルトンズ」のオーナー、ティム・ジェフリーズの3人のキュレーターが企画し、デヴィッド・ボウイ、モニカ・ベルッチ、アンディ・ウォーホルのポートレートも含まれている。2024年5月1日までの開催。(artnet)
https://news.artnet.com/art-world/helmut-newton-exhibition-2395386

メトロポリタン美術館のヨーロッパ絵画ギャラリーが全面リニューアル。1億5,000万ドル(約220億7,000万円)の費用がかかるこの取り組みは博物館の歴史の中でこれまでに行われた最大の資本プロジェクトであり、今まで殆どなかった女性芸術家や黒人人物、現代美術が大胆な方法で展示されている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/reviews/met-european-paintings-galleries-rehang-review-1234687340/

アート愛好家を満足させる世界のホテル25軒を紹介。モネとコローの隠れ家でもあったフランスのオンフルールにあるラ フェルム サン シメオンや、マリーナ・アブラモヴィッチの写真やトニー・クラッグの抽象彫刻、ロバート・インディアナのLOVE彫刻があるイタリアのビブロス アート ホテルなど。(ARTnews)
https://www.artnews.com/list/art-news/artists/best-hotels-art-lovers-1234685700/la-ferme-saint-simeon-honfleur-france/

アートバーゼル香港が、香港コンベンション&エキシビションセンターに242の出展者を集めパンデミック前の規模で開催される予定だ。総出展者は242で、2023年の総数から37増加している。期間は2024年3月26日、27日がVIPプレビュー、一般公開は3月28日から30日まで。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/market/art-basel-hong-kong-2024-exhibitor-list-1234687471/

過去に行われたBBCインタビューでバンクシーの実名がついに明らかになった。バンクシーの正体については様々な憶測がされてきたが(ゴリラズの共同制作者で漫画『Tank Girl』の共著者であるジェイミー・ヒューレットや、マッシブ・アタックの共同創設者でアーティストとしても知られるロバート・デル・ナジャなど)、20年前に行われたインタビューの中で、バンクシー自身が本名を明かしていた。インタビューではBBCアート特派員が「あなたの名前はロバート・バンクスですか?」と尋ねると、バンクシーが「ロビーです」と答えている。(ARTnews)
https://www.artnews.com/art-news/news/banksy-identity-revealed-in-lost-bbc-interview-1234687480/

■海外アートフェア情報

アートバーゼル マイアミ 12月6・7日(招待のみ)・8日−10日 一般公開
https://www.artbasel.com/miami-beach/at-the-show


著者

大胡 玄 (おおご げん)

大学卒業後
1998年 コーンズアンドカンパニーリミテッド
2004年 ニューヨーク大学教育学部スタジオアーツ写真専攻 修士課程修了
2004年 クリスティーズ(NY) 日本・韓国美術部門
2007年 クリスティーズ ジャパン
アジア現代アート及び NY・Londonのコンテンポラリーアート
個人コレクターを中心に美術品全般の出品/落札に携わる
2019年 株式会社アマナ ARTshelfプロジェクト
2021年 大胡アートアドバイザリー合同会社 設立